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RPS BATTLE SCHOOL  作者: 赤木梓焔
リア充は突然に……
108/109

エピローグ4

「――それでは終業式を終わります。全員椅子を持って教室に戻りなさい」


 俺達生徒は各自椅子を持って教室に戻る。階段をあがるところでミクと並んだ俺はさっきの態度のことを聞いてみた。

「ミク、お前知ってたのか?」

「うん、高峰先生がお母さんに話していたみたい」

「やっぱりな。だからさっきあんな態度だったんだ」

「うん、鈴木先生盛り上がっていたから、言えなかったの」

 高峰先生は2、3日前にミクの母親の見舞いと結婚の報告をしていたらしい。

 だからミクは教室での鈴木先生の告白に渋い顔をしていたのだ。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「「先生元気だせよ」」「「またチャンスがあるよ」」

 教室に戻った生徒から鈴木先生に慰めの声が上がった。最初は落ち込んでいた先生だが、やがて顔を上げて笑顔になる。

「ハハハ大丈夫ですよ。ではHRを終わります。では良い冬休みを――」

 その時、一人の男子生徒がガタッと椅子を押し、いきなり立ち上がった。


「ん?どうしましたか?保坂君」

「先生。俺、先生に勇気を貰いました!」

 そう言うと保坂がミクの席に向かう。保坂の姿にミクが戸惑いの声を上げた。

「……えっ?」

「時実さん、初めて会った時から好きでした!俺と付き合ってください!」

「ちょっと待ったあー!俺も好きです!」「俺もー」「俺も!」「俺だって!」

 保坂の突然の告白に、俺とコウジ、彼女のいる数人以外の男子全員がミクに殺到した。


「え?あ、あの、ちょっと……」

「お願いします」「お願いします」「お願い」「お願い!」「俺にして!」

 数多くの男性から告白されているミクだが、さすがに戸惑っている。と、その時――。

 ガラガラガラーッと、D組の教室の扉が開いた。


「失礼します。鈴木先生、もうHRは終わりましたか?」

 扉をあけたところにコートを着たトモが立っていた。なぜかちょっと怒ってない?

「あ、ああ、もう終わったが……」

 トモの雰囲気に、鈴木先生もD組の生徒達も動きが止まる。

 トモは無言のまま、男子に囲まれているミクの側に行くと、ミクの鞄とコートを持ち、空いている手でミクの腕を掴んだ。


「じゃあもういいですね。帰るぞ、ミク」

「えっ、あっ? ト、トモ? 一人で歩ける――「いいから黙って! ……先生、失礼します」じ、じゃあ、みんな冬休み明けにね。」


 少し怒ったようなトモに引っ張られるようにミクが教室を後にした。シーンと静まりかえる教室。

 ってか、もしかして今のトモのヤキモチか?あんなトモ初めて見たぞ。

 教室の中が唖然とした雰囲気につつまれた後。


「キャー、『帰るぞ、ミク』だって」「俺サマの天樹くんも、カッコイイ!」「黙って、とか言われてみたーい」


 女子達がトモの台詞の真似を始めた後、キャッキャッと言い始めた。

「ええっ、時実さんて、ユウと付き合っていたんじゃ――」

「だから、俺は関係ないっていったろ、じゃあコウジ冬休み明けに会おうな」

「あぁ、じ、じゃあな」

 驚いているコウジを尻目に、俺は鞄を持つと早々に教室を後にした。

「「「俺たち失恋したのー!?」」」

 教室の中ではミクに玉砕したD組の男子達が泣き叫んでいた。

「皆、泣くな。絶対に希望はある!」

「「「先生~」」」

「よし、失恋した者同士、今日はカラオケで歌って、すっきりするぞー!」

「「「先生!俺たち先生についていきます」」」

 失恋をした鈴木先生とD組男子達の心が一つになった。


 D組の中がにぎやかになっている頃、俺は階段を下りて玄関で外靴に履き替えていた。

 外を見ると、校門付近でしっかり恋人つなぎをして歩くミクとトモの姿が。


「コウジも彼女がいるし、俺も彼女作らないと生徒会でやってられないぜ」

 俺は呟きながら玄関を出ると、学校を後にした。




RPS BATTLE SCHOOL完


最後までお読み頂き本当にありがとうございました。

この作品は別サイトの小説大賞で最終ノミネートに選ばれた思い入れの作品です。


最初に思いついたときは「運で勝つ」ぐらいでしたが、書いていくうちにそれぞれのキャラが自分たちの青春を歩んでくれてここまで成長することができました。

作品を考えたのは中学生の時なので、高校の仕組みなど全然分かってないので、高校の仕組みも勉強も無視した自分の理想の学園小説を作りました。

そして「ジャンケン」という単純な勝負をどう演出するか悩みましたが、読んだ方に喜んでいただけると嬉しいです。


たくさんの方が貴重なお時間でこの作品に目を通して頂き、深く感謝しております。

本当にありがとうございました。



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