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RPS BATTLE SCHOOL  作者: 赤木梓焔
最後の決戦!~学生達の熱き戦いが終わりを告げる
102/109

8-19

「西郷さん、立派でした。お疲れ様」

「……私が……負けた……」


 西郷の頭に手をやり、慰めるように天堂先生が声を掛けるが、西郷は呆然としていた。


「おう時実、やったな!」

「ちょっと先生、髪の毛グシャっとしないでください!」

「悪い悪い……よく頑張ったな。おめでとう」

「鈴木先生、ありがとうございます」


 防具マスクを外した途端、笑いながらミクの頭を掻き回すように撫でた鈴木先生。

 しかしその目は真っ赤になっていた。自分の教え子が女子生徒会長に決まって本当に嬉しいようだ。


「時実さん、おめでとうございます」

「十文字生徒会長!?」


 鈴木先生とミクが喜んでいるところへ、十文字女子生徒会長が大きな花束を持って現れた。


「この8ヶ月間、よく頑張ったわね。本当におめでとう」

「あ、ありがとうございます」

「大変なのはこれからよ。来年の『RPS BATTLE』はあなたにかかっているから、頑張ってね」

「ハイ、一生懸命頑張ります!」


 そう言いながら、十文字生徒会長はミクに花束を渡した。ミクは笑顔で花束を受け取った。

 十文字女子生徒会長とのやり取りを観ていた観客席から、再びミクへ熱い声援が飛ぶ。


「「未来!」」「「未来!」」「「未来!」」「「未来!」」

「「未来!」」「「未来!」」「「未来!」」「「未来!」」

「「未来!」」「「未来!」」「「未来!」」「「未来!」」


 ……ってすごすぎだぞ、オイ。


「西郷さんも8ヶ月間お疲れ様。素晴らしい闘志だったわ」

「……ありがとうございます」


 決勝戦なので、西郷もバトルスペースに残り、十文字女子生徒会長から労いの声が掛けられた。

 しかしミクに負けた西郷の表情は固く、少し青ざめていた。


「これで女子生徒会長決勝戦を終了します。休憩後、男子生徒会長決勝戦を行います」


 バトルスペース上で大柳校長が司会を終えると、ミク達がバトルスペースから下りてきた。


「おめでとうミク!」「ミクちゃんおめでとう!」

「ありがとう!トモ、ユウ!ホントにありがとう!」


 俺達の顔を見たミクの目からぽろぽろと涙がこぼれる。

 夢にまで見た女子生徒会長になれるんだから嬉しいはずだ。

 その時、祝福を壊すような声が控え席に響いた。


「ちょっと、天樹くん!どういうこと!」

「西郷さん?」


 俺達がミクを慰めているところへ西郷がやってきてトモに迫った。するとトモは、俺やミクより一歩、西郷に近づく。


「ずっと応援するって、約束したじゃない!」

「……ミクちゃんとユウは下等生物でもDランクでもない。僕の大事な友人なんだ。2人をバカにするような人を応援する気はない」

「何ですって!?」

「人をバカにしたり見下しするような最低な人を、僕は心から応援なんてできないって言ったんだ」


 トモは冷たい目で西郷を睨むように話す。普段のトモからは考えられない態度だ。

 女の子に対してトモが厳しいことを言うのは、幼稚園の時以来だな。あの時は確か――。


「フン、今年は負けたけど来年……同じセリフが言えるかとっても楽しみにしているわ!」


 西郷はそう言うと、足早に更衣室へ立ち去って行く。俺達3人はそんな西郷を残念な気持ちで見送った。


「じゃあ、私ここで2人を応援しているから……頑張ってきて!」

「ミクちゃん、ありがとう」「頑張ってくるぜ!」


 トモと俺はミクと言葉を交わすと、バトルスペースに向かった。


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