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RPS BATTLE SCHOOL  作者: 赤木梓焔
最後の決戦!~学生達の熱き戦いが終わりを告げる
101/109

8-18

「いい加減にして。西郷さんなんか生徒会長にさせない!」

「フン、上手くよけたわね」


「Attack」と点灯が消え、青、ミクの電光掲示板に「Defense」と点灯された。


「デフェンス。両者リプレイ」


 大柳校長の冷静な声が聞こえる。

 ミクと西郷は体勢を直しながら、マスク越しに睨み合っていた。

 そして西郷が皮肉っぽく話し出す。


「あらぁ、そういうのはね……」

「両者セット……RPS GO!」

「――ジャンケンで勝ってから言いなさいよっ!」


 大柳校長の合図に被せるように西郷がミクをけしかける。

 ミクの出した手はチョキ。西郷の出した手はグー。また西郷の攻撃権!


「顔だけのくせにっ――!!」


 ガッ! バシィーン!!


 顔面に飛んでくる西郷の左手を払いのけるミク。西郷はミクの顔面ばかり狙っている。


「フフ、ホントジャンケン弱っ。言っておくけど、こう見えても私、剣道3段なの。体力切れを待っても無駄よ」

「そんなこと考えていないわ」

「どうだか。話は変わるけど、天樹くんって優しいわね~。この間もA組で勉強を教えてくれたわ」

「トモが!?」


 西郷は体勢を整えながらミクの好きなトモのことを話しに出す。

 その話にミクの体が少し硬くなるのを西郷は見逃さなかった。

 そして、大柳校長が右手を上げて合図を出す。


「両者セット……RPS GO!」

「……二人っきりでね!」

「……!?……」


 西郷の言葉に動揺するミクは、慌ててジャンケンを出した。

 ミクの出した手はパー。西郷の出した手はチョキ。またもや西郷の攻撃権!


「アハハハ、バカな女ね!」


 バン! ガツッ!


「デフェンス。両者リプレイ」


 西郷から攻撃を受けるが、なんとか交わしていくミク。だが、西郷の態度は変わらない。


「私が勝ったら天樹くんに告白するわ。きっと彼も生徒会長……ううん、仮になれなくても、女子生徒会長推薦で天樹君を生徒会役員に任命するの。そうしたら私と天樹くんはずーっと一緒だもの、クスクス」


 西郷は自分が女子生徒会長になったら生徒会長任命権を利用して、仮にトモが負けたとしても、生徒会役員に任命するとミクに伝えた。

 ミクはその言葉に蒼白した。なぜなら男子生徒会長になることがトモの夢。西郷が任命してしまえばトモは来年『RPS BATTLE』に参加できないからだ。


「トモを西郷さんの都合で振り回さないで!」

「だったら……私に勝ってみなさいよ。ジャンケンすら勝てないくせに」


 ミクが西郷に訴えるが、西郷はミクをバカにして相手にしない。

 西郷への怒りが頂点に達しようとした時、大柳校長が合図を出す。


「両者セット……」

「――この負け犬がぁぁぁ!」

「私は……私は……」


 西郷の右手が高く上がり、体の前に振り落とされる――。


「ミクちゃん、頑張れ!」


 トモの声援がミクの耳に届くと、ミクの頭の中にトモと過ごした日々が駆け巡った。

 ミクは右手に全神経を集中させた。


「RPS GO!」

「私はあんたなんかに負けないぃぃ!」


 ミクの西郷への怒りが右手に込められる!

 ミクの出した手はチョキ。西郷の出した手はパー。ミクの攻撃権!

 ミクの左手が素早く西郷の体に向かっていく。


「はあぁぁぁあああっ!!」

「えっ、なに!?」


 バシィーーン!ブーーーーーッ!!


 ミクの左手が西郷の右肩に当たった。

 ミクが勝つと思わなかった西郷は体が前に出ていたため、ミクの攻撃をよけることができなかった。

 青、ミクの電光掲示板に「Hit!!!」と表示がされると、今のミクの攻撃が大型スクリーンに映し出された。


「勝者、時実未来!来年度の女子生徒会長に決定です」

「「おめでとー!!」」「「未来さん、やったね!!」」「「時実さんが勝った!!」」


 審判を努める大柳校長のコールで、体育館の中が一気に大声援に包まれた。

 すると、バトルスペースに天堂先生と鈴木先生が現れて、天堂先生は西郷の防具マスクを、鈴木先生はミクの防具マスクを外した。


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