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RPS BATTLE SCHOOL  作者: 赤木梓焔
最後の決戦!~学生達の熱き戦いが終わりを告げる
100/109

8-17

「なあ、ミク。ちょっといいか?」

「ユウ、どうしたの?」


 休憩に入った直後、俺はミクを体育館ステージ奥にある倉庫に呼び出した。


「お前、女子生徒会長になったらトモに告白するって言ってたよな?」

「あ、ユウ、お、覚えてたの?」


 ミクは真っ赤な顔をして、目を泳がせる。こいつどうやら俺が忘れていると思っていたな。


「うん、で、告白するのか?」

「そのつもりだけど、なんでそんなことを聞くの?」

「俺がトモに勝っても告白するのか?」

「……えっ?」


 俺は真面目な顔でミクに尋ねる。思っていなかった質問にミクは少し戸惑っていた。


「俺が勝って、トモが生徒会長になれなくても告白するのかって聞いたんだ?」

「……告白するよ。だって、自分の気持ちを隠せないもん」

「そっか、良かったぁぁぁ」


 俺はミクの言葉を聞いて、両手を天に伸ばし背筋を伸ばす。その俺の仕草と言葉にミクは首を傾げた。


「ユウ、何、良かったぁ、って?」

「俺が勝って、お前がトモに告白できなかったら、『人の恋を邪魔して~』って殴られそうだもんな。これで安心してトモと戦えるよ」

「ユウ、何言っているのよ。男と男の勝負に口出しなんてしないわよ。全力で戦ってよ!」


 手を抜いたら怒るからね、と、ミクは笑顔で俺に答えた。


「おう、頑張るぜ。じゃあ、席に戻ろう。トモが心配しているからな」


 そう言って俺とミクは倉庫から出ると、自分達の席に戻った。

 そして休憩が終わる少し前、ミクと西郷は先生に呼ばれ、最後の防具マスク着けと身体検査を行った。

 ミクと西郷がバトルスペースに上がる簡易の階段下に着くと、突然、体育館の明かりが一斉に消えた。

 すると観客席にいる1年生からは「何?」「怖い」と言った声が上がるが、2年生、3年生から「「おおぉぉぉっ」」と歓声が上がった。


「あ、あれ、停電か!?」

「いや、ちょっと違う気がする」


 ほとんど何も見えない状態で少し俺は動揺するが、トモは落ち着いている。

 その時、バトルスペース上だけ明かりがついた。正確にはスポットライトが照らされて、その光の中央に主審の大柳校長が立っていた。


「これより、来年度の女子生徒会長を決める決勝戦を行います!バトルスペース白は、1年A組西郷刹那!バトルスペース青は、1年D組時実未来!2人の登場です!!」

「「ガンバレー!」」「「負けるなー!」」「「いけー!!」」


 決勝戦とあって大柳校長の声がいつもより高くなっている。その声に比例するように、観客席の生徒の声援も興奮していた。

 暗闇の中、2人が上がる階段にスポットライトが照らされる。

 ミクと西郷はその光を頼りに階段を上がり、それぞれのバトルスペースに立った。


「両者共、対戦相手に敬意を払って礼!」


 大柳校長の声に、向かい合ったミクと西郷は頭を下げる。

 しかし、ミクが頭を上げた時、西郷から皮肉めいた声が聞こえた。


「よくここまで勝ってこれたわね、D組さん」

「西郷さん、どうしてそんな言い方しかできないの!」

「D組なんて入試点や学校でのテストの成績が下位の集まり、つまり人間のクズじゃない」

「ひどい!」

「フフッ、私が生徒会長になったら、D組行きの生徒なんて自主退学を勧めるわ」


 体勢を整えながら、西郷はミクに向かって次々と暴言を吐いていく。ミクはそんな西郷の態度に怒りを感じる。

 ミクと西郷がマスク越しに闘志を燃やしていると、大柳校長の右手が上がった。


「両者セット……RPS GO!」


 ミクの出した手はグー。西郷の出した手はパー。西郷の攻撃権!

 白、西郷の電光掲示板に「Attack」と点灯された。


「あんたも自主退学しなさいよ!」


 西郷の左手がミクの顔面に飛ぶ。


 バシッ、 パーン!


 ミクは西郷の左手を素早く払いのけた。

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