8話 そうだ、巣を作ろう
少し短いです。
クロシアが植物を殲滅した後、俺達は巣に帰還していた。
植物魔物と闘った場所から俺達の巣までは距離があるので急がないと夜になってしまう。
巣に帰る頃には日も暮れてしまい、辺りには夜行性の強力な魔物達が見え始めた。幸い、そのような強力な魔物に見つかることなく俺達は巣に到着できた。
巣は拡張を頼んだ魔蟻達のおかげで、随分と広くなっていた。
そこにところ狭しと並ぶ、死骸の数々は別働隊の頑張りの証だろう。
さて、それで今日の成果だが、今日一日で俺のステータスはこうなった。
《雪兎》
Lv:76
種族:混沌蟲
特性【無限進化】
スキル【魔蟲の創造】
創造可能種
《魔蟻》
《兵隊魔蟻》
《酸魔蟻》
《甲殻蟲》
《角殻蟲》
派遣蟲残存数
《魔蟻》…49匹
《兵隊魔蟻》…16匹
《酸魔蟻》…18匹
《甲殻蟲》…21匹
統率群
《兵隊魔蟻》…2匹
《酸魔蟻》…1匹
《甲殻蟲》…0匹
《角殻蟲》…3匹
《ユラ》
《リリー》
《カゲツ》
派遣した魔物達はだいたい半分くらいの数に減ってしまった。
だが、その頑張りもあって俺のレベルが8も上がっている。別働隊の頑張り以外にも、あの植物系魔物の経験値(便宜上、レベルアップに必要な糧をこう呼ぶことにする)が予想以上に高かったという理由もある。
これも《命の木》が植物魔物に与えている影響なのかもしれない。
明日は大群を引き連れて、植物系魔物達に再戦することにしよう。経験値的に効率が良いというのもあるが集団戦で俺達、蟲が逃げ帰ったというのが赦せないのだ。
明日は俺達も総力を上げて戦いに挑むことに決めた。
「明日は総力戦になるぞ。」
『それは止めた方がいいわ。』
アリスが俺の決定を否定するのは珍しい。
「俺達では勝てないということか?」
確かに植物魔物は数も多く厄介だ。しかし、今日の様子なら勝てなくはないだろうと思う。
もちろん、入り口付近の植物魔物には、という話だが。深部にいるという植物魔物達に喧嘩を売る気はない。少なくとも今はな。
『違うわよ。ユキト、向こうを見てみなさい。』
アリスが向いた方向を見てみると、そこには大きな繭が三つあった。
どうやら、今日の戦闘でレベルが100を超えた個体がいたようだ。
「繭になったのはどの蟲だ?」
考えるのに夢中で全く気がつかなかった。
『兵隊魔蟻が二匹と酸魔蟻が一匹よ。』
ということは、俺の群にいた生き残りの蟲達か。
「それで、明日は厳しいんだな。」
繭の状態の蟲を残すわけにはいかないものな。
『そういうことよ。戦うこと自体は特に問題ないと思うけどね。』
ならば、明日はまたお休みだ。まぁ、今日一日で随分とレベルは上がったし、一日くらい休んでも問題はないだろう。
寝る前に半分近く減った別働隊のメンバーを補充してから蟲達を外に派遣した。狩ってくる魔物も多いのだが、その分食べる蟲も多いので、別働隊には頑張ってもらわなければならない。というのも、巣を拡張させている魔蟻や、蟲達が狩ってきた魔物を整理させる魔蟻といった、非戦闘員も増えてきているので食糧の調達は以前にもまして深刻な問題となっているのだ。
畑や家畜なんかが飼えれば良いのだが、今はそれも難しい。
それは今はどうしようもない問題なのでひとまずおいておいて、今日は眠ることにした。
狩りにも出掛け、魔蟲も創造した後だった俺は一瞬で眠りに落ちた。
◇◆◇◆◇
朝起きると、いつも通りの食糧が大量に置かれている光景が目に入った。だが、食糧を整理させる為の魔蟻を用意したため、散らかってはいない。
食糧整理の魔蟻を用意したのは巣の衛生状況を考えても良い選択だったようだ。
「そうだ、今日は巣のリフォームでもするか。」
どうせ今日は暇だ。それにいつまでも巣が大きな空洞だけというのはいかがなものかと思うし。
それに、俺は子供の頃、蟻の巣の断面図を見ては言いようのないロマンを感じたものだしな。それを自分で造れるというのは素晴らしい気がする。
うん、半ば適当な思いつきだったんだが、無性にやりたくなってきたぞ。
『なら、丁度良い魔蟲を創造できるようになっているわよ。
ステータスを見てみて。』
《雪兎》
Lv:77
種族:混沌蟲
特性【無限進化】
スキル【魔蟲の創造】
創造可能種
《魔蟻》
《兵隊魔蟻》
《酸魔蟻》
《甲殻蟲》
《角殻蟲》
《建築魔蟻》
派遣蟲残存数
《魔蟻》…74匹
《兵隊魔蟻》…27匹
《酸魔蟻》…32匹
《甲殻蟲》…36匹
統率群
《繭》…3匹
《甲殻蟲》…0匹
《角殻蟲》…3匹
《ユラ》
《リリー》
《カゲツ》
「えらくタイミングが良いな。」
さっそく《建築魔蟻》を創造することにした。
「創造、種族は《建築魔蟻》、数は一。」
そうして現れたのは頭に大きな大きなシャベルのような物を搭載した魔蟻。大きさは普通の魔蟻と変わらない。
更に九匹の建築魔蟻を創造し、計十匹の建築魔蟻を用意した。
「さて、何の部屋を作るか。」
絶対に必要なのは食糧を保管する食糧庫と、繭となった蟲を守る為の部屋だ。
後は俺が眠る為の寝室も欲しい。この体なら固い地面の上でも平気で熟睡できるが、決して気持ちよくはない。
狩りから帰って、柔らかいベッドで眠る。これくらいの贅沢はしたい。
「掘りますか。」
建築魔蟻に命令を下し、穴を掘らせる。
さすがは建築に特化した蟻だけあって凄まじい勢いで穴を掘り始めた。
御都合主義が少し入ってしまいました。
虫の巣って他にどんな部屋があった方がいいのかな?