真実
・・・
真実
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小さい頃、私には好きな人がいた。
だけど私には恋する時間なんてなかった。
いや、古武術を受け継ぐための修業で忙しいという理由を盾に私は逃げていただけなんだ。
今なら分かる。だけど昔は逃げていた事にすら気付けなくて・・・
だから好きな人が他の女の子とキスしている所を見て暴走してしまったんだ。
涙が止まらなかった。何も考えられなかった。
すぐに私は私の友達である人形の元に向かった。この悲しみを聞いてもらう為に。
だけど人形は人形で・・私に優しい言葉なんて掛けてくれるはずは無くて。
それに苛立って私は人形を
『粉砕』してしまったんだ――
そう、私の拳はその頃には既に凶器になり果てていた。
人形は粉々になってしまい、もはや見る影もない。
私はそこでようやく自分のした事に気付く。
私は怒りに任せて友達を粉砕してしまったのだ。もう、直せないほどに・・・
その後私は泣きながら欠片を集めて庭に埋めた。
雨が激しく降っていたけど、気にならなかった。いやむしろ好都合だっただろう。
涙を隠せたのだから。
あれ以来私は人形を買う事も人形で遊ぶ事も無くなり、自分の中にある強大な力をコントロールするための修業に全てを費やしてきた。
それがあの人形に対する償いだと思いながら。
次回で百合幼女編は終了です。
少女が苛立って人形を粉砕・・古武術すげーッス。
みなさん、古武術使う奴等を怒らしちゃダメですよ!