再会 後編
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再会 後編
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「・・う、ん?」
「おや、気付いたようだね?」
私は幼女が起きた事を確認して安心する。
時々うなされてたし、ハラハラものだった。
幼女は私を見るなり瞳に涙を溜める。
・・・なんでいきなり泣きそうなんだろう。私ってそんなに怖いのかな?
「―――ッ燈花ちゃん!!会いたかったよぅ!!」
困惑していると幼女は私ですら目で追うのがやっとな速度で抱きついてくる。
・・・中々に予想を斜めに行く幼女だ。予想外すぎる。
「燈花ちゃんだ!燈花ちゃん!燈花ちゃんの匂いだ!燈花ちゃん燈花ちゃん・・あぁ!!」
「え?えぇ?ちょ、ちょっと!?」
抱きついた幼女は次第にエスカレートしていき、私に頬ずりを始めたかと思うとしばらくして私の頬をペロペロと舐めはじめた。
さすがに頬ずりまでは許容範囲内だが、ペロペロされるのはいただけない。
しかもときどき聞こえる幼女のエッチな吐息でこっちまで変な気持ちになってしまう。
なんとか幼女を離して距離をとり、事情を説明して貰う。
幼女が言うには彼女は私が小さい頃遊んだ人形らしい。
捨てられた恨みで肉体を得て私に復讐しに来たのだそうだ。
「おかしいな?私はあの人形を捨ててはいない。」
「嘘付かないでよ!地面に埋めたじゃない!私、悲しかったんだから。」
幼女が今にも泣きそうな顔をする。
あぁ、確かに私は人形を・・いや、人形だった物を埋めたな。
「いや、うん。あれはね、恥ずかしいから話したくないんだが理由があるんだ。」
「理由?人形を埋める理由なんて捨てる以外にないじゃない!」
幼女は涙をポロポロと流しながら詰め寄ってくる。
その姿を見て私は話す事を決意した。
「・・私は古武術を幼いころからやっているんだ。」
「知ってる。ずっと見てたもの。」
「そうだったね、キミはあの人形なんだったね。なら私が人の枠から外れた力があるのも知っているかい?」
それを聞いた幼女はキョトンとしている。
そういえばあの人形を外に出したことはなかったな。この幼女が本当にあの人形だとは思えないが、もし人形だったとしたら会った事も無い他の人間と比較などできないだろう。私の家族は揃って規格外だから比較にならないしな。
「まぁ、私はほかの人達より力が強いんだ。それで、その・・だな。」
うぅ、恥ずかしい。あの人形には可哀そうなことをしたと思っているし、思っているからこそ供養のつもりで埋めたんだが・・・