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魔力なし公爵様に嫁いだら  作者: はぐれうさぎ


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第19話 魔道具作り(1)

 数日後、次のポーション作りを教わる日になった。

 予定だと、今日はポーション作りではなく、魔道具作りを見せてもらうことになっている。

 なので、初めて見る魔道具作りというものに少しわくわくしながら工房へと向かう。

 すると、工房内の作業場にはレオン様が既に来ていて、目の前に置かれた大量の素材を確認していた。


「……えーっと、ここにあるものを全て使うのですか?」


 作業場に着くまでは期待だったり、わくわくだったりがあったものの、作業場の机の上を埋め尽くす素材の量に少し圧倒されてしまう。


「いや、さすがにここにある全てを使うわけではないよ。

 自作する場合でも魔力を隠蔽する魔道具の素材だけを手配すると怪しいし、この機会に色々な素材を大量に手配しておいただけだから」


 ああ、なるほど。

 確かに魔道具そのものではなくても、特定の素材だけでもバレる可能性はあるのか。

 とはいえ――。


「さすがに多すぎませんか?」


「いや、せっかくの機会だから、君にも魔道具作りを体験してもらおうかと思ってね。

 下級ポーションは作れるようになったし、ポーション作り以外の錬金術にも興味を持ってもらえたらと思ったんだよ。

 ……ただまあ、確かに少し多かったかもしれないね」


 そう言って、レオン様が机の上の素材たちへと目を向ける。


「うん、申し訳ないけれど、まずはこの素材たちを整理するところから始めようか」


 そんなレオン様の言葉により、今日の作業は不要な素材たちを片付けるところからスタートすることになった。




「さて、机の上も片づいたことだし、さっそく魔道具作りを始めていこうか」


 不要な素材たちを棚や木箱に片付け終わり、当初の予定に立ち戻るべくレオン様が切り出す。


「今回作ることになる魔力隠蔽の魔道具だけれど、これは大きく分けて二種類あるんだ。

 一定の魔力を吸収して魔力量を隠蔽するものと、魔力が外部に漏れるのを遮断して完全に魔力を隠蔽するもの。

 魔力を遮断して完全に隠蔽するものは普段使いするようなものではないから、今回は一定の魔力を吸収するタイプのものを作ることになるね」


「完全に隠蔽するものを作るわけではないんですね。

 なんとなく、そちらの方がイメージしていたものに近いのですが」


「確かに、隠蔽という言葉から考えると、魔力を遮断するタイプの方がイメージに近いだろうね。

 ただ、今の僕でもわずかに漏れ出る魔力がある以上、それを完全に隠蔽してしまうと逆に怪しくなってしまうんだよ。

 だから、魔力量を隠蔽することを目的とした、魔力を吸収するタイプの魔道具を作るつもりなんだ。

 そもそも、魔力を完全に隠蔽するものは、暗殺などを目的としたものだったりするからね」


 あー、完全に隠蔽する、つまりは魔力を感知されないレベルまでやってしまうと過剰になってしまうのか。

 まあ、隠蔽というのは、あくまでもそう表現していただけでしかないしね。

 魔力が増えたことを気づかれないようにするという本来の目的からすると、確かに、魔力量を隠蔽、偽装するような形の方が適していそうだ。


 そうやって納得していると、レオン様が大きな板状の道具を自身の前に取り出していた。

 そして、机の端によけていた素材を近くに並べ、私に対して道具の説明をしてくれる。


「これは錬金台という魔道具で、錬金術を補助するための道具だね。

 素材へ魔力を流しやすくしたり、加工するための魔法を使いやすくしたりするよ。

 まあ、僕の場合は少ない魔力を補助するために使うことが多いけれどね」


 そう言って、レオン様が錬金台の手前の側面を開き、内側の引き出し状になっていた容器に魔石を入れていく。

 先ほどの説明的に、こうやって魔石を入れることで錬金台から魔力を供給できるようになるのだろう。

 その後、魔石を入れ終えたレオン様が錬金台の右側面に設置された魔石に触れる。

 すると、錬金台が起動したことを示すように、表面に刻まれた魔法陣が一瞬だけ光った。


「これで準備ができたから、さっそく作っていくよ。

 何か気になることがあれば、遠慮なく質問してくれていいからね」


「わかりました」


 そう答え、さっそく作業に取り掛かり始めたレオン様の様子を見守る。

 最初に手にしたのは錬金台の隣に置かれた金属の塊。

 それを錬金台の上に置き、魔力を込めて手を加えていくと、その塊が不自然なくらい簡単に加工されていく。

 とはいえ、特に複雑な形状を作るつもりはないのか、元の金属から小分けにして取り出した二つの塊を板状に加工しただけだったけど。


「それはミスリルですか?」


「そうだね。

 錬金術で加工する場合、魔力を通しやすい金属の方が扱いやすいからミスリルを使うことが多くなるよ。

 特にアクセサリーにする場合は定番だね」


 そう答えてくれたレオン様が、今度は魔法陣の書かれた資料を机の奥に広げ、机の上に並んだ道具の中からペンのようなものを手にする。


「ここからは少し地味な作業になるよ。

 今加工した板状のパーツに魔法陣を刻んでいく工程になるから」


 その言葉通り、レオン様がペン状の道具を使って、先ほど加工したミスリルの板に魔法陣を刻んでいく。

 まあ、ミスリルが今も加工しやすい状態になっているのか、金属に刻み込むというより、板にペンで魔法陣を書き込んでいるというような感じに見えるけど。


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