ゆれる水面の下で【夏のホラー2025】
もうすぐ取り壊される郊外の学校には、
雨の日だけ現れる、小さな水たまりがある。
そこを覗いたとき――
陸斗は、“いないはずのあの子”の顔を見た。
最初は気のせいだと思っていた。
でも、廊下の水音、誰もいないはずの視線、
曇ったままの窓ガラス。
そこに“だれか”が、まだいるような気がしてくる。
雨が降るたび、記憶の底で揺れ続けた想いが、
やがて静かに、水面へと浮かび上がる――
誰にも言えなかった「またね」が、
届くその日まで。
雨の日だけ現れる、小さな水たまりがある。
そこを覗いたとき――
陸斗は、“いないはずのあの子”の顔を見た。
最初は気のせいだと思っていた。
でも、廊下の水音、誰もいないはずの視線、
曇ったままの窓ガラス。
そこに“だれか”が、まだいるような気がしてくる。
雨が降るたび、記憶の底で揺れ続けた想いが、
やがて静かに、水面へと浮かび上がる――
誰にも言えなかった「またね」が、
届くその日まで。
水たまりの中の顔(1/4)
2025/07/18 09:00
映るけれど、いない(2/4)
2025/07/18 23:00
あの子の記憶(3/4)
2025/07/19 09:00
(改)
またね(4/4)
2025/07/19 22:00