善悪日記
*この作品では、前書きや後書きも本編の一部となっているため、ぜひ最後まで読んでいただければ幸いです。
理華子がこの世を去った。僕より二つ年上の彼女は、常に独創的で、どこか人を惹きつける力を持っていた。ある日、家に帰ると、紅に染まった彼女の亡骸が横たわっていた。遺書はなかった。ただ、日記から破られた数枚の紙が残されていた。
その日録は僕に宛てられたものなのか、それとも誰にでも読まれることを想定したものなのか──。彼女がいつも書いていた「私の日記を見ているみんなへ」という言葉を思い出し、僕はそれを彼女の遺した言葉として世に伝えることを決める。
忘れるのではなく、向き合うために。理解するために。そして、僕にはなかった何かを知るために。
理華子がこの世を去った。僕より二つ年上の彼女は、常に独創的で、どこか人を惹きつける力を持っていた。ある日、家に帰ると、紅に染まった彼女の亡骸が横たわっていた。遺書はなかった。ただ、日記から破られた数枚の紙が残されていた。
その日録は僕に宛てられたものなのか、それとも誰にでも読まれることを想定したものなのか──。彼女がいつも書いていた「私の日記を見ているみんなへ」という言葉を思い出し、僕はそれを彼女の遺した言葉として世に伝えることを決める。
忘れるのではなく、向き合うために。理解するために。そして、僕にはなかった何かを知るために。