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俺、初依頼

スライムを探しに湖に来た。

すぐに見つけることができた。

目の前でぽよぽよと跳ねたり震えたりしてる。

たしかに可愛い。だがこいつは魔物なのだ、油断しては行けない。と、思っていた時期がありました。

彼らからは全然悪意を感じない。

温厚な魔物ってよく分からないけど攻撃してくるようすはない。近づいても問題なさそう。

水色のスライム達が10体くらいで群れを成している。

ボクハワルイマモノジャナイヨとか言いそうな形をしているやつや、長方形、楕円形、色んな形になっている。

つついても震えるだけなにもしてこない。かわいい。

スライムってなんでも食べるんだよな。

試しに薬草を与えてみた。

スライムはそれを体内に入れる。

消化していく様子がわかる。これが生物とかだったらだぶん目を覆いたくなる光景になるのだろう。

もっと寄越せと言わんばかりに足元をうろうろしている。


この10体の中から選べばいいのだろうか。

とりあえず感情を読んでみよう。

暖かな光に包まれ感情がみえてくる。

友好的なスライムが2体、無関心が7体、怯えてるやつが1体

うーん、どうしようか。

友好的なスライムと怯えてるスライムを並べる。

もう少し読んでみよう。


(やくそううめー)

(あそぶあそぶー)

(きけんがあぶない)


きけんがあぶないってなんかかわいい。

頭痛が痛いみたいな感じだろうか。

やくそうスライムはとりあえず薬草あげとくとして、

きけんアラートスライムもとりあえず置いといて、

遊びたがってるスライムを見てみよう。

スライムと遊ぶなんて経験がない、どうしようか。

とりあえず持ち上げてみる。うーん、ほぼ水だから重いような軽いような。もちもちヒンヤリで気持ちいい。

思ったよりベタベタしてない。攻撃する時はベタベタになるんだろうか。形を変えてみたり上に投げたりしてみる。


(楽しい)


楽しいらしい。ぷるぷる震えている。

薬草スライムはずっと薬草を食べている。

気に入ったのだろうか。ほんのり緑色になってきてるような気がする。

アラートスライムは相変わらずぷるぷる。


(やくそううめー)


(きけんがあぶない、くるよーーー)


おや、くるとは。

なにがくるんだろうか。そう思った時、湖から巨大な影が浮かんできた。おっと、これはきけんがあぶない。

魚型のモンスターだ、名前はわからない。図鑑を見てる余裕は無い、今目の前を口を開けてこちらに飛び込んできてる。あ、死んだかも。

そう思った時、急に魚のモンスターが真っ二つになった。どうやらグラディアスが助けてくれたらしい。


「すまない、まさかここにこいつがいるとは思わなかった。」


あの剣でどうやって真っ二つにしたかわからないけど、右手には剣が握られていた。やっぱりすごいんだねグラディアス。

それよりも、このアラートスライムめちゃくちゃすごい子なのでは。アラートスライムをみてみると、危険が去ったのかぽよぽよしていた。


(あんぜーんあんぜーん)


安全らしい。めっちゃすごくないか。この子にしよう。

もう少し分かりやすく出来るといいけど。

うーん。そういえば、さっきは横揺れだったけど、今は縦揺れだ。そういうことか。だいぶスライムとの意思疎通もなれてきた。


「君は危険が迫るとわかるのかな」


(わかるわかるー)


「危ない時は横に、安全な時は縦に揺れてるんだよね」


(そー、しらせるーしらせるー)


うん、やっぱりこの子だろう。王女様にぴったりじゃないか。

アラートスライムを持ち上げた瞬間また景色が変わった。


それはスライムの記憶。

最弱のスライムはとにかく狙われる。

生き残る為には危険を察知し事前に逃げる必要があった。その能力に長けていたのがこのスライムだった。

しかもこのスライムは食いしん坊らしく、食料を身体に取り込んで危険を察知したら逃げるという方法で生き残っていた。

毒草やたべていけないものもわかるようで避けている。


そして景色はもどる。


〈危険察知の心、収納術の心を獲得〉


これが君の能力か、大切にするよ。

危険察知の心は第六感みたいなものだろうか、やばいと感じる時は危険が迫っている時なのかもしれない。

収納術はおまけでついてきた感はある。

うーん、収納BOXをイメージしたら目の前の空間になにか現れた。手を入れてみる。あ、これイベントリだ。

空間収納を手に入れたみたいだ。これは助かる。

むしろこっちのが日常で使えそうだ。

ありがたく使わせてもらおう。

能力はグラディアスに相談するとして、まずはこの子を王女様のもとへ連れてかないと。

スライムは腕の中でぷるぷるしている。


「よかったら俺についてきてくれないかな。君の能力をかしてほしい。」


(あんぜーん。あんぜーん。)


「うん、ほかの魔物に襲われないところにいこうね」


こうして俺はスライムを手に入れた。

ほかのスライム達は群れを返してあげた。

遊び盛りのスライムは連れてきても良かったかもしれない。また来た時に遊んであげよう。


「グラディアスさん、今回はこの子にします。どんな子かはあとで女王様のところで説明しますね」


アラートスライムを肩に乗せるとシルバーメインに乗る。

アラートスライムが首に巻き付くように変形した。スライムって便利。これで落ちることは無いだろう。


(あんぜーんあんぜーん)


安全第一で帰ろう。

グラディウスもそれをみて馬に乗り、俺たちは女王様の元へ向かった。

出発とは違い乗りこなせているので行きよりもかなり早く戻ることが出来た。

でもまだシルバーメインは本気じゃないんだろうな、俺に合わせてくれているのだろう。賢い馬である。


王城につき、手続きを終えると部屋に通された。

そこには国王陛下と王女様も護衛がいた。

相変わらずすごいオーラだ。

俺とグラディアスは前回と同じように膝まづいて国王陛下の言葉を待つ。


「おもてをあげよ、報告せよ」


顔をあげる。王女様は初めて見る。

王女様は、優雅なる美しさと気品に満ち溢れていた。その瞳は星空のような輝きを宿し、高い鼻筋が優雅なプロフィールを描く。柔らかな笑顔が彼女の顔を彩り、その優雅な微笑みは周囲に温かな光を広げます。


彼女の髪は絹のようになめらかで、太陽の光を浴びると金の糸のような輝きを放つ。髪には花や宝石が織り交ぜられ、彼女の高貴な出自を象徴していた。


王女様の装いは繊細で優雅で、彼女の気品を引き立てるようにデザインされていて、豪華なドレスが彼女の優雅な動きを際立たせ、その美しさはまるで絵画のようだった。


美しすぎてみとれてしまっていた。

しっかりせねば。

グラディアスが報告する。


「国王陛下の依頼のものをお持ちいたしました。説明はこのラビトがいまします」


急に振られてしまった。

俺は少し慌てる。

頭が真っ白になりそう。

それをみて国王陛下も怪訝な顔をする。


「うむ、して、スライムはどこに」


魔物を連れくるわけないだろ、と、言いたいところだけど安全性は念の為護衛の人にもみてもらってる。

つまりここにいる。あれからずっと首に巻きついていた。いきなり出したら護衛にすごく怒られそうだもん。

俺は立ち上がり首からスライムをはずし、両手に抱える。


「こちらに、この子は危険察知能力をもつスライムです。アラートスライムとでもいいましょうか。女王様を危険から守ってくれるでしょう。毒などもわかるようなので是非お傍に置いてあげてください。このスライムは安全を好みます。安全な時は縦に、危険が近づく場合は横に。それと、食いしん坊なので、餌を多めにあげてあげてください。」


説明を終えると、女王様が近づいてきた。


「こたびの任務、ありがとうございました。私は国王陛下の娘、エレナ・シルヴァンディールです。触っても大丈夫でしょうか」


王女様はエレナというらしい。

スライムをペットにしたいというからどんな人かと思ったけど、ちゃんと王女様だった。にやにやが抑えられてない所を見るとスライムが好きなのかもしれない。


「はい、今は冷たくて気持ちいですよ」


スライムを差し出すと、おそるおそる触れる。


「もちもちしててとても気持ちがいいですね。とても可愛らしい。今日からお願いね。そうね、あなたはアラートスライムだからアスラよ。」


(あすらーあんぜーんあんぜーん)


スライムも気に入ったようだ。

ぷるぷる波を打っている。


「名前気にいったみたいですね」


エレナはなれたのかスライムを抱える。

まるでぬいぐるみを貰ったかのように嬉しそうだ。

気に入ってもらえてよかった。


こうして俺は初依頼を終えるのだった。

ちなみに報酬はたくさんの金貨だった。

こんなに貰っていいのだろうか。

くれるというのだから貰っておこう。

ありがたやありがたや。


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