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『少林(しょうりん)JK』

作者:コンコン
『少林(しょうりん)JK』
勝った者だけがあなたの隣にいられる。
ラブストーリーとアクションが融合した切ない恋物語。
ミスマッチな場所で始まるバトル。ネイルサロン、カラオケ、スイーツ食べ放題。
彼女たちの驚異的な身体能力による日常も魅力的に描く。
二千年以上続いてきた一子相伝の秘拳、竜神拳法の嫡男には、ある掟があった。
それは、史上最強の女を嫁にすること。最強の遺伝子を遺すために先祖代々受け継がれてきた定めだ。平成の現代でもそれは、密かに続けられていた。

竜神家の嫡男(ケント)の嫁の座を狙っている女拳法家は大勢いる。

女子格闘家の間では、既に幼いころから“ケントの恋人の座” をめぐる戦いは始まったおり、13歳の夏の日から、舞が勝ち続けている。勝つ限り、ケントの横で恋人として過ごすことが許される。
だが、竜神家の掟で、ケント本人の希望は口にしてはならない。ほんとは誰と付き合いたいとか、誰を応援しているとか、絶対言ってはならない。さらに、負けた相手とこっそり会うことも禁じられている。

優しいケントは、いつも笑顔で舞と話してくれる。一緒に歩いてくれる。
だが、ときどきその顔に暗い影がよぎるのを舞は見逃さない。
本当は私なんかより好きな子がいるんじゃないの?
私が勝っちゃいけなかったんじゃないの?
強い女なんて嫌いなんじゃないの?
だが聞くことはできない。それが掟だ。
ケントの気持ちは永遠に確かめられない。
ならば私は自分の気持ちに正直に生きるだけ。
今日もケントの恋人の座をねらう女がやってくる。
「見ていて、ケント」
舞の必殺の回し蹴りが炸裂する。
「私は負けない! あなたが好きだから! アタアアアアア!!」

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