傾国の乙女を目指しながら、後輩魔人を待つ 5
ガタンゴトンと揺れる馬車の中にいるんだよー。私って、『魔人』生活の中であまり馬車に乗ることないから、こんな振動くるんだーってちょっと疲れたよ。
でもまぁ、平民だとまず馬車に乗ることないから、いい感じに私平民ですってオッドーたちに示せたかなって思っているよ。
それにしても迎えに来た馬車が外装はそこまで派手ではないし、高級そうではないのだけど、内装っていうか、中身が中々良い感じに高級そうなんだよね。何でもこの馬車って揺れにくい構造らしいよ。
ちなみにオッドーの身分はまだ分かっていないよ。
ついたら教えてくれるんだって。これだけ溜めるってことは、それだけ身分が高いのではないかって思うのだけど。
「アイ、大丈夫か?」
「うん。大丈夫よ」
それにしてもオッドーにせよ、オッドーの護衛らしき騎士たちも私のことを信頼しすぎじゃない?
逆に私は心配になっちゃうんだけど。いや、まぁ、私は楽しいから騙されてくれてありがとうーって感じだけどさ。このままもっと乱れてくれた方が楽しいけどさー。
まぁ、私は思う存分楽しめるからいいか。
それにしても私がこうして信頼を勝ち取れたのって結局私の可愛いモンスターたちのおかげだけどね。
それにしても馬車の中から外を見るのも中々楽しいよねー。楽しくてわくわくしてきちゃうよ。でもあまりにも不安とか出さないのは平民らしくないもんね。
「ねぇ、オッドー、本当に私が、一緒にいっていいの? オッドーは、貴族様だよね……?」
馬車に揺られるにつれ、不安になる愛しい娘――それにオッドーはどんな対応をするだろうかと、敢えてしおらしい表情を浮かべる。
私の演技力すごくない? オッドーってば「アイ……」って呟いているよ。ちなみに私は初心な平民の少女って感じで、キスとかはちょっとまだっていっているよ!! まぁ、あまりにも引き延ばすとあれだから、そういう雰囲気になったら幻覚でも見せる予定だけどねー。
楽しい遊びとはいえ、ファーストキスをあげるのはちょっと……って思う乙女心は私にもあるんだよ!! 神様とかには、「アイに乙女心……?」とか言われたけどね!! あるんだよ!!
「大丈夫だ。俺が一緒に居てほしいと望んでいるんだから」
「オッドー……」
うん、やっぱり傲慢だね。自分がいいと言えばいいって。うーん、お偉いさんなら婚約者とかいるだろうけど、私を連れて帰っていいのかな? 色々修羅場になりそうで楽しそうだよね。
自分が良いと言えば良い――ってうんうん、何か本当に偉そうな感じだよね。どんな身分なのかなとわくわくしているよ。
いやーしかし、護衛も大変だね? 一緒の馬車に乗っているのに、主と主の恋人のこういう恋の雰囲気の中、冷静に職務を全うしなければならないとか、本当大変だよ。
そんなことを考えながら、私は馬車に揺られたよ!!
それで辿り着いてびっくりしたんだけどさ。いや、もう本当にね?
ついた場所王城だったんだけど。
本心からびっくりして呆けた表情になったよ。別に問題はないだろうけど。
「俺はこの国の国王なんだ」
…ってそう告白されちゃったんだよね。びっくりだよね。釣ろうと思ってた大物を気づけば一本釣りしていたよ!!
ちなみにオッドーは王城についたら雰囲気が変わっていたよ。なんだろう、確かに王様だわ、って認識出来たの。なんかお忍びの時は王様だって分からないように色々使っているらしいよ。へーって感じ。
それにしても王様って奥さん沢山いそうだけど、私連れて帰っちゃって悪い王様じゃない? って思ったけれど、王城に仕えている人たちは別に王様であるオッドーが愛妾を連れて帰ってきても問題はないらしいよ!! まぁ、王様だと愛妾とか沢山だもんね。
それに前王様は凄い沢山奥さんいたらしいけど、今の所オッドーはそんな女狂いってわけじゃないから一人ぐらい増やしても問題ないって感じみたい。
オッドーが王様って知ってから、色々私の経歴とかを違和感ないようにしなければって思ってモンスターたちに指示を出しといたよ。
「……お、王様だなんて、わ、私なんかが」
「大丈夫だ。俺がいいといっている」
キリッとした表情だけど、オッドー、奥さんいるよね?
此処の王様がもう正妃とかいることは私も知っているんだぞー?? 現代日本育ちだと、ハーレムかぁ、へーってなる。
私が本当に恋人とか作るなら、ハーレムとかだと嫌だな。なんか大勢の中の一人ってだけでなんかんーってならない? 日本育ちだしハーレムの一員ってのは本当だったらえーって感じだよ。
今回は傾国の乙女目指しているから演技として此処にいるから問題ないけどさ。
一応感激したような表情作っておいたよ。多分オッドーはそういうのを求めているからね。
んー、さてどんな立ち位置でどんな人間として此処にいようかな?
王様に気に居られたからと暴走している存在もありだけど、あれだよね、もっと内側からかき乱すためにはこの王城の中で信頼を勝ち取るべきだよね。
まずはそうだね……。オッドーの心をつかんで、私でいっぱいにしてあげようか。
興奮剤のようなものとか、幻覚見せるものとか、《幻惑蝶》のものとか、色々そういうのを使って、好意を錯覚させようか。
それでいて正妃ちゃんを蹴落としたいよね。出来たら。冤罪でも吹っ掛けて、やらかそうかな。出来たらだけど。
そんなことを考えながら私は後宮の一室に案内されるのでした。
ついでに小さなモンスターたちを潜ませて、王城の見取り図とか把握させることにしたよ!! 楽しみだなぁ。どんな風にかき乱そうか。
そうそう、そのタイミングで丁度後輩たちがくるんだって。
そっちも楽しみだよね。