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傾国の乙女を目指しながら、後輩魔人を待つ 3

「君は、前に助けた子だね。ここで働いていたのかい?」

「はい。先日はありがとうございました」



 いつものように酒場で働いて居たら、見知った顔がいたよ! あの私が絡まれた時に助けてくれた人だね。やっぱり所作が綺麗だから育ちがよさそうな感じがするよ。

 うんうん、此処から一歩ずつ、いい感じに傾国の乙女目指せるかな? とそんな風に期待して仕方がないよ。



「――俺はジェダ。よろしく」

「はい。私はアイです。よろしくお願いします」



 此処で再会出来たのも何かの縁だと、ジェダは挨拶をしてくれた。ここから仲良くなっていって、いい感じに傾国の乙女になれるかなーって大期待だよ。

 これから少しずつジェダと交流を深めなきゃね? あとはそうだね。権力を持ってなさそうに見えても実は権力者とかもいるから元日本人として謙虚にいかなきゃね。色んな人と仲よくしないと。うずうずしてさ、人を殺したいなーとかそんな気持ちもわいてくるけど、もっといい感じにいいタイミングで遊ばないと。




 ああ、楽しい!!



 ダンジョンマスターらしいこと何もしないで過ごすのってさ、ちょっと退屈なんだけど、たまにはいいよね。大きな遊びの前座にはね。



 それから私はジェダに優しく微笑みかけて、私を好きになるように、そうだね、恋人じゃなくていいから友人としてでも仲良くなれるように笑いかけたよ。



 そうしながら、距離を縮めていった。もちろん、ジェダのパーティーメンバーの女の子たちともちゃんと仲良くなっているよ。異性にだけ笑いかけていてもね、傾国の乙女っていうぐらいなら色んな人を惑わさなきゃ。寧ろ男だけじゃなくて女も惑わせてこそじゃない? そっちの方がわくわくするし。




 ってわけで、私は色んな人をたぶらかし中だよ!!

 と、そんなことをしていたら神様から連絡がきたよ。私がちょっと人の街で遊んでいるから連絡だけだったけど。



 神様に会いたいけど、ちょっと遊びを中断するのもアレなんだよね。ダンジョンに戻ったら戻ったでどこで足がつくかわからないから慎重にしたいし。

 そんなわけでとりあえず神様とは連絡をしただけだった。神様が言うには、すぐにはまだ新米たちは呼べないっぽい。準備中だから私が傾国の乙女に近づいているうちに呼べそうだってさ。





 そういうわけで、私は目指せ傾国の乙女ってことで地道に活動中だよ。ちなみに、歌姫としての名も広まってきているの。酒場の人たちがいっていたけど、歌姫って結構貴族とかに愛人にされたりするらしいよ?



 愛人ね……ちゃんと、そういう行為したみたいな幻覚見せるの持ってきているけれど……弱小貴族よりいい感じに権力がある人を一本釣りしたいよねー。出来たら王族のがいいけど、厳しいならもっと下でもいいけど。うーん、どうしようかな。



 少しずつ面白い方にシフトしていくとして……ちょっと色々急展開になってほしいと思うけれど……、もっと時を待たないとね。じっくり頑張らないと。



 そんなわけで私は大人しく歌姫生活行ってたんだけど、ジェダがいい感じに権力者っぽい人連れてきたよ。なんか昔馴染みがこの街にやってくるからというのは前から言っていたんだけど、私に紹介したいんだって。




 私もなかなかジェダと仲良しになっていたからね。ジェダのパーティーメンバーとも仲良くなっていて、女の子たちとは一緒に買い物とかしている仲だし。ちなみに仲良くなった過程で恋の相談とかされて、正直言ってぶち壊してやろうかなって思ったけど、大物狙うためにもう少し大人しくしておくよ。

 ジェダへの恋心抱いていたりするみたい。ふふふ、キューピットにでもなろうかな? みたいに思っているよ。たまにはね? 最後には盛大にこの国を混乱に陥らせるけどね。




 さて、ジェダが連れてきたのはまだ若い、美しい男性だった。なんていうの、女の子に対する警戒が強そうな感じ。女に苦労しているのかな? ちなみに私も初対面で睨まれたよ。あとさ、護衛っぽい人がいるね。さりげなく周りにいるけど、私はダンジョンマスター暦が長いし気づいているよ。

 うーん、偉い感じの人かな? お忍びの服装だけど、何だか存在感が凄い強いんだよね。っていうか、私を睨んでジェダに怒られていたのにさ。



「お前、ジェダに近づいて何を考えている」



 とか、すごまれたよ。



 何を考えているって、私は盛大にこの国で遊ぼうとしているから……まぁ、その警戒も正しいかもだけど、多分この男も私がそこまで考えているとか考えていないよね。きっと。



「私はジェダと友達なだけですよ。そして貴方とも仲良くなりたいです」



 睨んできた相手に笑顔でそう告げたらちょっとぽかんとされた。



 此処にいる私は、心優しくて真っ直ぐな歌姫だからね? ちゃーんと、それを演じるよ。

 まぁ、それでも警戒したような感じだったけど、いい感じにきっかけを作れたらなーって思うよ。

 ……って思ってたらさ、多分、この男、オッドって人がさー、私を試そうとしているのか配下っぽい人をよこしてきたんだよね。



 急にさ、金をやるからどうのこうのーみたいにいっている美形男。急にこんなの近づいてくるのおかしいし、《ポイズンハニー》が近くで様子を見ている人がいるって言っていたから、なんか試されているんだなって丸わかりだった。

 そんなわけで「そんなものいりません」ってちゃんと断ったよ!!






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