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迅との距離を縮めたい! ④


「ふふふふふ」


 私はにこにこしていた。

 何故かって、和風少女を破滅に追い込めたから。



 和風少女を破滅に追い込んだ後、すぐにここから去ると色々勘繰られるかもしれないから、ちゃんとその辺は考えている。







 誰かが訪れた時にはちゃんと落ち込んでます!! って顔をしている。さりげなく、「雛菊さんがそんな人なんて……」と落ち込んだ様子を見せたりしていたよ!!

 そういうのに皆ころっとだまされちゃうんだよねー。良い事、良い事。








 それにしても本当に良い感じの手のひらの返し方。私はそういう手のひらを反す人、凄い好きだよー。いいよねー。人間らしい。





 そんなことを思いながら私は内心ご機嫌で、外面は落ち込んで!! という凄い私は二面性を楽しんでいるよ。

 ちなみに迅はまだこの街に来てないみたいで、あの和風少女が破滅しているの知らないんだよねー。ふふふ、凄い楽しいよね。



 私は迅が誰かに興味を持たないでほしいと望んでいる。だって、私の初めての初恋相手が、誰かと親しくなるのはちょっと面白くないもの。




 そういうわけで私は自分が望むままに行動を起こしている。






 流石に一人の少女を破滅に追い込むだけでは、騒ぎにはならない、ただそういう少女がいたと噂になるだけだ。

 国をつぶした時とは異なり、そこまで目立たないことはつまらないけれど、まぁ、ああいう大きな遊びに関しては時々がいいよね。

 私が幾ら『魔人』として長く生きているとはいえ、下手に目立って私という存在が目立てばどこかで殺されるかもしれないし。



 私はまだまだ死にたくないし、もっともっと遊びたい。




 そのためにもっとどんなふうにすべきかも考えないと。

 今回は迅が和風少女に興味を持ったからこうして私は顔を出したけれど、しばらくは大人しくしようかな? まぁ、当然、迅とはデートするけどさ。



 あとは良い感じに友達が酷い子でショックを受けてこの街を去るって風にして去れば終わり!!



 というその時期に迅が街にやってきた。

 私は迅のことをちらっと覗き見をした。たまたま見かけたからなんだけどね。



 迅は和風少女が死んだことや、どういう噂が出回っているか知ったみたい。でもそれでも――迅はそこまで顔色を変えなかった。



 ふふ、迅は和風少女が亡くなった頃に少なからずのショックを受けたはずだけど、それでも泣き崩れるほどではなかったのだろう。迅は、周りに不自然に見えないように悲しそうな表情は少しは見せていた。







 それにしても本心からそういう風にはしていなそうだけど、それでも色んな表情をしている迅を見るのも楽しいなぁ。

 迅の色んな顔を見れたら楽しいのに。なんて思いながら迅のことをちらちら見てしまう。



 やっぱり私は迅の事が好きなんだーって思った。

 好きな人の事を見ていたいって気持ちを地球にいた私は知らなかったけれど、この異世界にやってきて、私は恋を知ったのだ。



 うんうん、迅の絶望した顔も含めて色んな顔を知りたいなー。




 私はそんなことを考えながらじっと見ていたら、迅がこっちを見た。




 あら、気づかれたかな?

 すぐに視線をそらしたから気づかれないと思いたいけれど、まぁ、気づかれたら気づかれたでいいけれどさ。




 そんな風に思いながら街に訪れた迅に接触しないようにしばらく街で過ごして私は街を後にした。




 あの和風症状は東の国からやってきた少女みたいだから、その国からまた違う人たちが訪れるかもね?

 ずっと東の方にあるらしくて私は行ったことないんだよねー。この百五十年、どちらかといえば近場で全部過ごしてきたからね。幸いにも近場に遊び場は多かったし。



 ああ、でも遠い所には私が『魔人』になった頃から生きている『魔人』もいるかもしれない。そういう子はしたたかなのかな? 面白い子なら会ってみたいなー。




 その時は迅も一緒だといいなぁー。

 なんてそういうことを考えながら私はにこにこしてしまう。



 

 これからももっと楽しい『魔人』生活を行うためにも色々と頑張らないとね!!

 



 そう思いながら私は迅のダンジョンに寄った。





 迅に会いに行けると私は嬉しい。私のダンジョンのモンスターたちにもにこにこしていますねと言われたしさー。

 それにしても迅に会いに行くしというわけでちょっとおめかししてみたよ!! 私のモンスタータウンでは服作りもしているからねー。ちなみにその服を人間の街に売りに行くというのもたまにしているよ。

 これで商会とか作っても楽しいかも?



 色々と夢も広がるなー。良い感じに悪役として、『魔人』として楽しく過ごしたいものだよねー。





 私はそんな風に思いながら迅に話しかける。




「迅ー、元気ー?」



 そう言いながら話しかけた私を迅はじっと見ていた。




「どうしたの、迅?」

「……愛、雛菊さんをああいう目にあわせたの愛だよね」





 私の言葉に迅はそう言った。

 私はその言葉に笑った。







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