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迅との距離を縮めたい! ①

 私は迅との距離を縮めたい。

 ――しかし迅は私が幾ら口にしても信じてくれない。私ってば、地球にいた頃からは想像が出来ないぐらいに献身的に迅に貢物をしたりしているのに!!


 それなのにどうして迅は私の言葉を信じてくれないのか。

 私ってば、迅のために色々やっているのにさー。



 それなのにどうして迅は信じないのか!!



 いやね、はじめてであった時よりは迅と私は仲良くなれたと思うんだよね。何だかんだ人は私が迅のことを殺そうとしていないことは分かっていると思うし。だけれどさ、なんというか、私はもっと迅との距離を縮めたいというか、迅と恋人とかになれた方が嬉しいというか!!


 そういうわけでもっとグイグイいくぞーという気合を入れていた時にね、ちょっと迅が街に行った時にね、少し和風っぽい雰囲気の女の子と仲良くなったみたいなんだよね?

 いやね、別にね、迅が異世界にやってきて、心細いのは分かっているし、私と一緒に街に行った事で自信をつけて一人で街に行くのもいいんだよ?



 でもさー、友情にしろ、打算にしろ、何でも迅が女の子と仲良くなっているのは嫌かなーって。



 そもそも和風っぽい雰囲気って、ずっと東の方にある国が出身の女の子なのかな? 日本人を思い起こして話しかけたのかもしれないけどさ、正直言って嫌なんだよね。それ。



 というか何で視界に入る位置まで来ているんだろうか。その子を殺そうかなーって気分でいっぱいだよ。

 迅の視界に入らないようにゾンビにしたり眷属にするのは却下として……やっぱり殺してゾンビにも出来ないぐらいにしないとね。それこそ一番いいよねー。迅にバレないようにしないとなぁ。迅に嫌われたいわけでもないし。ああ、でも理想は私がそういうことを起こしたとしても迅が私に平然と対応してくれることなんだけれど。







「アイ様、何だか楽しそうですね? 好きな方が異性と仲良くなっているのにどうしてそう楽しそうなんですか?」

「なんでって、その相手をぶち殺すことを考えているからね。社会的に抹消させ、身体的にも殺す。それが一番いいよね!!」



 そうだよね。ただ殺すだけだとちょっと面白くないよね?

 どうせなら貶めるだけ貶めて殺さないと。そっち方がいい気がするよ。貶めて、尊厳さえもないぐらいに徹底的にしようか。



 折角、あれだけの国潰しを行ったからしばらくのんびりしようと思っていたんだけどねー。でもまぁ、仕方ないよね? 私が気に食わないんだから、徹底的に絶望させてあげよう。







「ふふふ、地べたにはいつくばって命乞いとかさせるのもありかも。あとはそうだね。この和風女はその街に来てまだたった一年みたいだし、信頼を得ているとはいえ、そこの信頼をゼロに変えるのも楽しいよね。あはは、楽しくなってきた!!」

「アイ様、楽しそうですね。私もお手伝いしますからね」



 レルナの言葉に、私は思わずレルナの頭を撫でた。私の眷属は私の言葉に肯定する良い子だなって思ったの。



 私はダンジョンマスター室で、椅子に腰かけて足をぶらぶらさせている。そんな私の傍に立ち、撫でやすいようにかがむレルナは良い子だと思う。レルナにも手伝ってもらわなきゃね。

 



 ――どんなふうに貶めて、どれだけ酷い女として名を馳せさせようか。やろうと思えば幾らでも出来る。でも楽しくするために迅には知られないように色々起こそうか。もし迅がそれを後から知った時どうするだろうか? 私の本気を知るだろうか? それもいいかもしれない。



 でもどちらでもいい。楽しければ私はいいから。



 和風女は破滅させるけれど、今度準備を進めて和風女の故郷に遠出するのもありかもしれない。日本に似た場所だったらそこで何か前世に纏わるものを手に入れるのもありかもしれない。私は地球に関する思い入れはあまりないけれど、迅はあるみたいだし。

 迅への貢物にはいいかもね。

 というか、この和風女が故郷でどういう立ち位置なのかは分からないけれど、散々貶められて死んだらその東の国の連中はこっちに来るかもしれない。――そうなったらもっと楽しい宴を起こせるかもね。




 結局私もダンジョンマスターとして、ダンジョンを強化するのに忙しかったし、この世界の端から端まで見れているわけでもないから、迅を連れて色々な場所に行くのもありかもね。



 神様を沢山喜ばせて、迅の周りも排除して――うん、良い計画。

 とりあえず女は駄目だよ。迅がどういう考えかは分からないけど、駄目なものは駄目。



 そういうわけで私は早速和風女を破滅させるために動き出すことにした。



 待っててね。和風女。とことん追い詰めて、とことん貶めて、絶望の中で殺してあげるから。

 中々綺麗な顔をしているらしいから、どんだけ良い感じに絶望してくれるかな? って楽しみだね。



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