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ゾンビ探しのデートだよ。

 私と迅は、街に来ているよ。

 というのも、ゾンビ探しのデートをしているからである。




「迅は、どういう子がいいの?」



 そう問いかける声は小さな声である。

 まぁ、奴隷制度がある世界とはいえ、人を奴隷にするための会話を公な場でするのは問題だしねー。



 まぁ、私たちは『魔人』だから人の世の中でのルールは正直どうでもいいけどね。私たちのことをどうにかできる存在は、人の世の中にはいない。ただ今回は人間として此処にいるから、人間として裁かれることはあるかもしれないし。



 そうならないように、大人しくするつもりだけどね。



 ちなみに迅は私が迅を好きだってことは信じていないけれど、それでも私が女の子をゾンビにしたら何をするか分からないという言葉は信じてくれているようだ。

 そんなわけで男でゾンビにするための人を探している。



 迅も『魔人』として一年間過ごしていて、割と『魔人』の暮らしに適応している。そういうわけで、迅は無理やり普通に生きている人をゾンビにすることも、自分の『魔人』人生のためにいいかと思っているようだ。

 というか、迅って自分の『魔人』生活のための犠牲なら別にいいかって思っているみたいで、そのあたりも含めて迅って面白いなと思っている。





 迅はダンジョンで冒険者を相手にするのに適した戦える人をどうにかゾンビにしたいみたい。ちなみに奴隷としてではなく、ゾンビにしたいと思っているのは、迅に絶対服従の傘下の魔物にしたいみたいだよ。そういうあたり、迅らしいなぁって思う。



 うん、これで下手に人間のまま仕えさせたいとか言わないからいいね。

 そういうの言ったら『魔人』らしくないもの。





「あれは?」


 私はそう言って問いかける。

 迅は街の中だからか、頷く。今、迅のゾンビにする候補を一緒に探しているのだ。



 それにしてもガタイが良い冒険者風の人をゾンビにするのもよさそうと迅は思っているみたいだね。私もいいと思う。



 そういう冒険者をゾンビに出来たらきっと良い感じだろうな。私も正妃ちゃんをゾンビにして、もっとゾンビを増やしてもいいかなという気持ちになってるし。




 ゾンビ戦隊みたいにそろえても楽しいよね。でもまぁ、私のゾンビにするならお気に入りの子にしたいからその辺もちゃんと考えておかないといけないけどさ。






 迅が目を付けたのは、冒険者や騎士といった戦える存在である。

 その戦える存在をどうにかゾンビにして戦力にしたいのだろう。迅のダンジョンはまだまだ発展途上で、まだ周りにしられているダンジョンでもないしね。



 もっと戦力を整える必要があるんだろう。



 私のダンジョンとか、最高難易度のダンジョンとして広まってしまっているし、戦力も十分だけど。正妃ちゃんは戦闘能力は低いしね。




「迅、どの子がいい?」

「候補は五人ぐらいいるけど、そこまでの人数をゾンビにする力は俺にはないからな」

「迅はまだレベルも低いもんね」



 迅はゾンビを作る能力がそこまで高くないのである。迅のために五人とかゾンビを作ってあげたい気もするけど、こういうのは自分の力でやらなきゃ駄目だもの。



 そうしないと迅も面白くなくなちゃうしね。



 街の外で迅と、誰をゾンビにするか話すのも楽しい。なんだろう、一緒にクッキングしているようなイメージ? まぁ、ゾンビ作りだから周りからしてみれば何それ? ってなるものだろうけどね!!






「私もゾンビ作ったのはまだ一人だし、まだまだどれだけ人間だった頃の記憶を持っているかも分からないのよね。迅の魔力でゾンビにしたならこちらに反旗を翻すことはないとは思うけれど……何が起こるか分からないもの。そういうのはちゃんと考えておくべきね」

「……愛はそのあたり考えてた?」

「ううん。私は全然。迅よりダンジョンマスター暦が私は長いし、反抗されても殺すだけだもの」



 私は別に反抗されても面白いだけで、殺すだけだから問題ない。

 でも折角面白い迅が、ゾンビに反抗されて殺されるとかはやだなーって思っている。まぁ、そうなったらそうなったで迅が油断しただけといえるけどさ。







 結局話し合いをした結果、最近少しずつ力をつけてきた冒険者の少年をゾンビにすることにした。




 狙うはその少年一人だけだど、仲間もいるみたいだからもしかしたらその仲間は殺して経験値にしなければならないかもだけど。




「私が誘ったし、私もゾンビ化させるの助けるよ。迅はまだ冒険者相手の戦い方慣れてないでしょ? まぁ、でも出来るなら少年は迅が捕らえなよ。自分で捕らえられもしない冒険者をゾンビにしたら大変でしょ」

「……ああ」

「あはは、緊張してる? 大丈夫、一応私は迅が危険な目にあったら助ける気はあるんだから」

「……これで愛が俺を殺そうとしてたら俺、詰むな。そんなこといっても仕方ないが」

「大丈夫。私は迅を好きだから迅を殺そうとはしないよ?」



 私はそう言ったけど、迅はやっぱり私の恋心を信じていない。



 ――さぁて、楽しいゾンビ作りの始まり始まりってね!!






 


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― 新着の感想 ―
[一言] まさか、愛に騙されてダンジョンマスターを憎んでいるあの少年だったり?
[気になる点] 男でゾンビにする人を探している ↓ ゾンビにする男を探している もしくは、ゾンビにする人(男)を探している の方がいいかと 適応してい ↓ 適応している
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