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神様のもたらした愛にとっての吉報

『愛、元気か』

「神様ー、元気だよー!! 久しぶりですねー、神様」



 神様と話すのは久しぶりだ。

 神様は私と仲良く喋ってはくれているけれども、神様として大忙しなのだ。

 神様にはヨルムノ様という名前があるけれども、私にとっての神様は神様しかいないので、私は神様としか呼んでいない。


 念話で神様と話すのはいつも楽しくて、私は神様とのお喋りだと高揚した気持ちになっている。



 神様の本体――もちろん、力は抑えている状態——で、こっちに来ることもあるけど、ここしばらくは本体がくることはない。私は神様ならばいつでもウェルカムなんだけどね。



『ああ。久しぶりだな。最近はどうだ?』

「最近? そうだねー。最近はいつも通り。冒険者を虐殺したりしてるよー。でもちょっとだけつまらないんだよねー。もっと面白いこと起こらないかなーって私は色々と考え中なのです」


 

 魔人としての生活はとても充実している。

 私にとってみれば魔人としての生活は、地球で人間として過ごしていた頃よりも断然楽しい。



 ”人間”という枠組みの中で生きていた私は”人間”として生きていた。時折面白い事が起こらないかなと思いながらも、期待されているように人間らしく、ただの高校生らしく生きていた。

 退屈していた私は、こうして魔人としてこの世界に私を連れてきてくれた神様の事を本当に愛してる! って言えるぐらいに大好きである。



『そんな愛に朗報だ』

「朗報? 何か面白いこと? 神様、私に玩具でもくれるの?」



 私は聞こえてきた神様の言葉に、思わず前のめりになる。ビデオ通話とかではないので、私からは神様は見えないけど、もしかしたら神様からは神様パワー的なもので私のことが見えているかもしれない。

 まぁ、私は完璧美少女だし? 女子高校生の頃にこちらにやってきて、そのまんまの姿だし? 神様は寧ろ変な行動とかしている私を見ても引くことはないだろうし、楽しむだろうから何も問題ないけど。




 うんうん、私が例えばどんな行動をしたとしても受け入れてくれる人……まぁ、神様だけど……がいるってとても幸せな事だよね。

 最もそういう人がいなかったとしても私は魔人としてこの世界に来たからには、好き勝手に生きると決めているけれど。




『——前に言ったことだ。新しく、魔人を呼ぶぞ』

「ようやく? ようやく後輩魔人が出来るの? 何それ、絶対楽しい。それだけ私にとっての玩具をくれるってことだよね!!」

『そうだな。愛みたいな面白い奴がいればいいが』

「あはは、私も自分に似た子がいれば面白いなーって思うけど、私って中々珍しいタイプだよ? 私は今の所、自分みたいなのあったことないなー。居たらどうなるかな? 殺し合いかなー? っていうか、神様、私みたいなのがいればいいって、私のこと、飽きちゃった? 他の子がいいとか?」



 後輩魔人が出来ると興奮している私は、神様に向かってからかうように言う。



 神様にこんなことを言っていいのかって? まぁ、人によっては神様にこんなことを言えばすぐに殺されてしまうかもしれないけれど、私と神様の仲だからね。

 百年以上の付き合いだから、神様も私がこんな軽口聞いても受け入れてくれるんだよね。

 

 それにしても後輩魔人かー。どんな面白い存在がいるかな? やっぱり私を信じさせて、一気に殺すとか、あとは長期戦もありかな? 前やったみたいに、長期戦で思いっきり遊んでみたいなって気持ちもあるからね。

 前は私が悪い魔人だってばれて共同戦線でつぶしにかかられたりもしたけど、ワンパターンじゃ面白くよね?



 殺し方も重要だし、第二の私みたいに、直属の後輩とか作っても楽しいかな? 実際に会ってみなければ分からないけどね。




『いや、愛が愛のままなら飽きることはないだろう』

「ふふふ、ありがとう、神様、私はいつまでも神様の大好きな私でいるよ! 私も神様、大好きだから両想いだね!!」

『……そうか』

「やっぱり神様照れ屋さんだよねー。私は神様に感謝でいっぱいだし、アイラブユーって言える感じだよ」



 神様は邪神なので、あまりこういう事を言われることがないというのもあり素直な気持ちを告げると照れるのだ。

 照れ屋さんな神様、可愛いよね!!



 邪神である神様は憎まれることが多いけれど、私としてみれば接してみると神様ってすごく良いキャラで、大事な親友? っていうか、特別な存在って感じではあるんだよね。神様も私のことを大切に思っていてくれているし、良い感じに相思相愛だよね。



『……愛は相変わらず素直だな』

「ふふふ、私はいつでも素直だよ? それにしても神様はいつまでたっても照れ屋さんだよね。神様、今度久しぶりに本体こっちによこしてよー。一緒にお喋りしようよ。後輩魔人の話ももっと聞きたいしさー。ね、いいでしょ?」

『ああ。行く』



 即答してくれる神様は、友達があまりいないので私と喋ることを楽しみにしていてくれるのだ。

 誘われたらすぐに行く! っていう神様、可愛いよね。



 その後、神様から後輩魔人の話も結構聞いたけど、やっぱり直接神様とのんびり過ごしながらお茶会とかするのは楽しみだなーと思った。



 神様との会話が終わって、レルナに神様がそのうち来ることを告げれば「では、お菓子などを用意しましょう」と笑みを溢してくれた。



 神様がくるのも、後輩魔人が出来るのも、楽しみ。

 どれだけ面白い遊びが出来るかな。出来るだけ残酷に、出来るだけ魔人らしく、遊べたらいいなと私はニヤリと笑った。




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