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ダンジョン攻略計画を提案し、私は出会う 3



 私は寵妃としての提案により、ダンジョン攻略計画が練られている。

 ――私は心優しい妃なんていう私の本性を知っている者達はびっくりするような呼称だ。きっと神様は大爆笑である。

 そして私はダンジョンマスターとして、後輩魔人たちを導き、人に対抗させようとしている。そして、この国をかき乱そうとしている。



 ――どちらも私が楽しむために行っている二面性。

 あれだね、両方知っている人は私が二重人格なのではないかと疑うものもいることだろう。



 まったく違う二面性を演じていれば、人によってはどっちが本当の自分だろうかと悩むかもしれない。けど、私はそういうことはない。だって私は楽しむために全く違う自分を演じていて、本当の私はただ魔人として遊びたいだけだと自覚しているから。



 


 さーて、そんな私は今日も今日とてドーちゃんにおまかせして、後宮を抜け出している。

 仲間意識を芽生えさせて遊んではいるけど、もっと遊びたいよねー? ってことで私は他のダンジョンマスターにも接触することにする。



 面白そうな子もちらほらいる。あとはこっそりバレないように近づいて、怯えさせてみたり、手紙をおいてみたりもしたよ。怯えている子をもっと怯えさせたかったのよね。そうすることで、逃げ道を無くさせて暴れさせようという計画。それは上手く行っているんだよ。

 楽しいよね。なんて楽しいんだろうってうずうずだよ。



 あとは私が可愛い見た目をしているからと油断してくる人も多いから、楽しいよね。独りぼっちの中で私だけが味方みたいな感じにもしているんだよねー。その子はまだ若い女の子だね。


 あとおじさんもいたよ。おじさんは中々、私の演技に良い感じに騙されてたね。なんというか、女子高生とか大好きらしいよ。中々下種い感じだね? 私に襲い掛かりたいって思ってるみたいだけど、馬鹿なのかなー。

 魔人暦150年の私をなめすぎだよねー?

 逆に絶望させてあげるよー、って私はやる気満々だよ?



 小さな子供は良い感じにのせやすかったね。すぐに殺すのも楽しくないからさ、良い感じにこっちはお姉ちゃんとして演じているよ。親と離れてこんなところにいて悲しいんだって。うんうん、そうだよね。もっと悲しませようね。

 どのタイミングでどんなふうにやろうかな? こっちには周りは全部敵で、こっちを殺そうとしているんだよーって言っているよ。

 こっちを信頼しきっているからこそ、どうにでもなるはずだからね。そうそうこういう純粋な子供をさ、残忍に変身させるのも本当に楽しいよね?



 そんなことを考えながら私はにこにこだよ。

 それにしても面白いよね。こうしてダンジョンマスターと遊べるのは。まぁ、何人かは殺したりしたけれどね。



 

 そんなわけでぶらぶらしてきた私は、ある一つのダンジョンに辿り着いた。



 それは洞窟のダンジョンだった。異世界にやってきて、そんなにたっていないのにも関わらず――この出来は中々かな? なんかずっとダンジョンを作成してきた感じだと思う。

 なにこそ、面白そうと思って私は足を踏み入れる。中々強そうな魔物を倒しながら進んでいこうかなと思っていたのだけど、なんだか、魔物たちにげてくんだけど?



 敵対する意思がないってことかな?

 うんうん、この段階で大分面白いのだけど。



 そう思っていたら、一匹のゴブリンが道案内という文字を持って私の元へやってきた。ふーん、どうやら私と会おうとしているようだ。






 そして私が案内された先のマスター室で会ったのは、黒髪の何処にでもいそうな少年である。




「はじめまして」

「……はじめまして」

「私はアイだよ! よろしくねー。後輩ダンジョンマスター君、それでどうして私をここまで案内してくれたのかな?」



 私は出来るだけ親しみを込めて笑いかける。警戒したような目を向ける少年。うんうん、良い感じじゃない? 警戒している子はいいよ。



「私は貴方よりずっと前からダンジョンマスターをやっているの。今回は後輩ダンジョンマスターが出来るってことで会いにきたのよ」

「そうですか」

「ええ。そうなの。此処は中々良いダンジョンね。折角の後輩ダンジョンマスターだから話したいなと思っているのよ。どう?」



 少年はそれに対して頷いた。

 名前は、高見迅というらしい。今時の名前だね。

 



 それにしても結局頷いて私と話してくれるあたり、思ったよりも期待はずれかな? ただ私に対して顔を赤くしたりしない辺りは中々見る目あるというべきかな? 私の外見に騙されるなんて甘っちょろいからね。






「迅君はダンジョン経営をするのには躊躇いはないの?」

「ないですね。こういう立場になったのだから、やるだけやります」

「なんだか迅君は思い切りが良いんだね」

「アイさんは、どうやって長い間もダンジョンマスターを?」

「そうだね。私も同じ気持ちだね。折角こんな異世界に来たんだからさ」



 私は敢えて、目の前の迅少年と同じ思いだと口にする。厳密には違うと思うけどね。

 迅少年はこの世界をやりこもうとはしているけれど、私のように人を絶望させようとはしてない。私と目の前の少年は違うと言えるだろう。



 だけど、同意することが大事だ。

 そうすることで、私に対する仲間意識が芽生えるからね。





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