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ダンジョン攻略計画を提案し、私は出会う 2



 ダンジョン攻略計画がこの国で進められている。

 ダンジョン攻略計画が実行されるの楽しみだなー、とにこにこの私。この国でも有数の冒険者や騎士たちが参加するんだって。


 ふふふ、どれだけ新米のダンジョンマスターが絶望に陥るだろうね? それを思うだけで楽しみで仕方がないよ。

 あとはそうだね、敢えて『黒き死の森』の攻略に身を乗り出させて、挫折させるのもいいよね。


 あー、楽しみ。ワクワクする!!






「ドーちゃん、ちょっとお願いね。私、少し遊んでくるよ」

「はい。マスター」



 私はもっとこの催しを楽しくするために、ちょっと出かけることにした。外に出かけるときは、私はちゃーんとダンジョンマスターとしての、普段の黒髪の私で出ている。後雰囲気を変えて、寵妃のアイだって分からないようにはしているんだよ。




 どんなふうに遊ぼうかな。

 後宮で楽しく遊ぶこともいいんだよ。私は楽しく過ごしている。思いっきり遊びたいことがいっぱいあって、ワクワクで満ちている。


 でもさ、やっぱりね。気晴らしと息抜きは大事なんだよ。『魔人』としての私というのは、完全に素の私だからね。

 思えば、百五十年前に神様に連れられて、この世界にやってきて『魔人』になれて――うん、良い感じ。いやね、もちろん、例えばさ、『勇者』とか正しい人として異世界とかにくることになっていたら何だかんだで私はその役割を全うしようとしたよ。だってそういう役割を全うするの楽しいからね。でもさ、『魔人』として連れてきてもらえてよかったよ。こっちの方が楽しいもん。



 だからこそ神様愛しているよー。ありがとうーって気持ちを今日も心を籠める。多分神様は私の心ぐらい読めるしね!!




 




 時々、魔物を倒しながら私はうろうろしているよ。何処に行こうかな。誰と遊ぼうかな? そんなことを考えながらうずうずしている私は一つのダンジョンを発見する。



 そのダンジョンの中に入る。






「ねー、ダンジョンマスターさん。私もダンジョンマスターなんだけど、話さない?」







 塔の形をした小さなダンジョン。だけど、周りの自然に紛らわせる色にして分かりにくい塔。うんうん、試行錯誤してるね。ダンジョンを攻略されて死にたくないんだろうなとよく分かる。こうやって頭を使う子の方が生き残るよね。

 下手に目立つダンジョンにすれば、出る杭は打たれるものだからね。まぁ、こうやってこそこそしていても私は出てない杭も叩くけどね?




 私の楽しい楽しい遊びのための餌食になってね?






 私が無邪気に笑いかければ、此処のダンジョンマスターは私をダンジョンマスター室に入れてくれた。

 うーん、私は男受けがする方だしね。まぁ、転がしてあげましょうか。私はそもそも、傾国の乙女ムーブしている最中だしね?

 この塔のダンジョンマスターは、ヒロユキという名前らしい。フーンって感じ、ヒロって呼んであげたらにこにこしていた。



 中学生ぐらいかな? 中学生で此処に来るのも中々面白い人生経験しているよね。その人生も長く続かせるつもりはないけど。



 いかにヒロユキは自分が大変なのか、優しいお姉さん(私)に会えて嬉しいか。そうやって語る少年に私は見えないようににやりと笑う。



 あーあ、私なんかにそんなことをいったら破滅しかないのにね?

 それなのに全く気付かないなんて、どれだけ楽観的なのか。昔、遊んだ子も同じように私を信じ切っていたなぁ。うんうん、あれも楽しかった。あの時は食べたんだよね。今回は別の遊びにをしてみたいな。



 昔のことを思い出して思わず笑みが零れる。






「アイさん、何か楽しそうだね」

「昔のお友達のことを思い出していたの。もうなくなってしまったけれど……」



 しおらしい表情を浮かべればヒロユキはすっかり私に心を許して痛ましい表情をした。



 うんうん、よし、こういう感じで何人かと仲良くなってみようかな? それで国がダンジョンをつぶそうとしているぞーってほのめかしていい感じに陽動しようかなーってわけで私はその後、何人かのダンジョンマスターと出会い、彼らを出会わせてみる。




 仲間意識を芽生えさせるんだよ。

 そして私が先輩のダンジョンマスターってことで、皆にこにこだよ。ずっとダンジョンマスターとして生きてきた私ならば導いて助けてくれるって思っているというか。なんだろう、性善説を押している人おおいよね。でもさー、世の中には私みたいな人もいるんだから警戒心を持っていたほうがいいだろうにねー。



 なーんて、思いながらいい感じに陽動しといたよ。



 良い感じだよねー。

 さてさてそんな感じで四人ほどのダンジョンマスターたちに仲間意識を芽生えさせてその日は後宮に帰ったよ。



 ドーちゃんが上手くやってくれたので、何も問題なしだったからよかったね。




「マスター、お疲れ様です」

「ドーちゃんもお疲れ様!!」



 ドーちゃんは健気で可愛いよね。オッドーはドーちゃんに愛を囁いてたらしいよ!! というか、思うけどドッペルゲンガーだろうとも、違う存在なのに気づかないって滑稽だよね?



 そんなわけでちょくちょくドーちゃんに任せて、後輩ダンジョンマスターたちで遊び中だよ。



 もっと色んな遊びをしよう!! と出かけた先で、私はとある出会いを果たすのだった。








 

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