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退屈を紛らわしていたら、連絡が来た。

 はやく神様から魔人を増やす連絡こないかなーと思いながら、全く連絡が来ないので私は退屈して仕方がないのだ。

 神様は忙しいから仕方がないとはいえ、最近、神様からの連絡も来ないからなー。ちょっと退屈気味なの。



 もちろん、モンスタータウンで遊ぶのも楽しいけど……とそんなことを考えながら、私はモンスターの繁殖改良を進めている。

 魔人になった当初から進めている事だから、私のダンジョンに生息するモンスターたちは他のダンジョンのモンスターよりも強力なのだ。私としてみれば、可愛いモンスターたちが冒険者たちにやられてしまうことは嫌だったしね。

 今でもたまに私の可愛いモンスターたちは、冒険者にやられてしまうこともあるのだ。




「レルナ、冒険者いるからちょっと遊んでくる」

「いってらっしゃいませ、アイ様」




 『黒き死の森』には沢山の冒険者たちがやってくる。

 その冒険者の一味で私は遊んでみることにした。だって退屈だからね。もうちょっと神様から連絡がないなら、外に遊びに行こうかなーって思ってる。




 冒険者の元へ私は向かう。ただ油断はしないようにはしている。不老とはいえ、魔人にも死の概念があるからね。



 私がちょっと遊んでみようかなと決めた冒険者パーティーは、女性だらけのパーティーだった。女性だらけのパーティーって結構珍しいんだよね。冒険者って男の人の方がおおいし。

 そんなわけで女性だけのパーティーは面白いので、遊ぶことにしたのだ。

 今は丁度、『黒き死の森』に侵入してすぐの所なんだけどね。朝だろうと昼だろうと変わらない真っ暗な空に覆われた森に足を踏み入れた彼女たちは早速絶望している。

 私の即死トラップにより、一人早速重症だしね。死ななかっただけ、凄いなーって思うよ。でもすぐに出ることはなかったのだ。それはまぁ、念入りに準備して『黒き死の森』に侵入してすぐに外に出るなんて出来ないしね。そもそも私のダンジョンって入る時も出る時も即死トラップが発生するようにしているし。

 

 彼女たちが何を思って私のダンジョンを攻略しようとしているのか分からないけれど、そんなのどうでもいい。ああ、でもどうせ遊ぶならもっと彼女たちの事を知るべきかな? いや、でもそうだね、長期間の遊びをするならば、もっと念入りに準備をしてやらないと……。

 今回は短期間で仕留める。



「あはは、どうしようかな」



 そんな声をあげながら私は、彼女たちの元へと向かった。



 他の冒険者パーティーとは遭遇しないようにちゃんとそのあたりは調整している。




「こんにちは」

「……な、なんだ、あんたは」




 重症の女性をなんとか回復させようとしている女性パーティーに、私は近づいた。

 にこやかに笑ってやってきた私に彼女たちは、警戒したような目を向ける。回復役の女性は、私の見た目からか、警戒が少ないみたいだけど。戦士タイプの人は私に対して警戒している。



 面白い。どうしてくれよう? どう料理しよう。




「私は冒険者よ。一人でこのダンジョンに潜っているの。ところでその方は? トラップの被害にでもあったのかしら?」

「見ればわかるだろう!」

「では、これをどうぞ」



 私は敢えて、そこでポーションをさしだす。私の作った自家製のポーションで、ひとまず重症でも治すことが出来る。とはいえ、それだけではないけど。



 そのポーションを受け取った女冒険者パーティーは、ひとまず感謝の気持ちを口にしてくれた。うんうん、素直だね。まぁ、重症も治した高級ポーションを私が与えたからだろうけど。

 でもそのポーションは普通のポーションではないよ?

 というか、私も中々、色んな自分を演じるのがこの百年で昔より上手くなったなーと思う。




「良かったら私が休める場所まで連れて行きましょうか?」

「本当か……!? 助かる!!」


 私に対する警戒心はあるだろうけど、なんだかんだ彼女たちには余裕はない。敢えて私は彼女たちに背を向けて歩き出す。こうすることで、いつでも彼女たちは私を刺し殺すことも出来るのだ。

 そんなことないように小さなモンスターに報告してもらってるけど。

 こうやって背を向けることで、私は彼女たちの警戒心を安らげているのだ。




 私はもちろん休める場所に連れて行く気だよ!! 永遠に休める場所にだけど。

 どうせ、このパーティーは『黒き死の森』の内部が分かっているわけじゃないしね。私の家でもあるこのダンジョンは私が一番知っているもの! というわけで、地獄へまっしぐらってね!



「ここですよ」


 と私が告げたタイミングで、その傍にあった岩が動いた。……いや、それは岩ではなく、岩のように佇んでいた生物だ。



「え」



 彼女達が声をあげた時には遅い――そこにいたストーンドラゴンが、一人を食い殺した。

 私はそのタイミングで、茫然としているパーティーメンバーの一人を刺殺した。そして私が敵だと認識した女性が私に向かって来ようとして、膝をつく。

 何故かって、私があげたポーションってその場で回復する代わりにじわじわ毒があとからくるんだよね。



「あははははは」



 楽しい。絶望した顔を見るのが楽しい。

 ああ、なんて愉快なのか。



 一人だけ残った回復役の女性は生け捕りにした。これから拷問でもして遊ぼうかなとそんなことを思いながら、私は女性を連れて帰り、「玩具だよー、自由にしてね」とモンスターたちに告げてモンスタータウンに放り込むのであった。








 さて、ちょっとした遊びをして少しだけ満足した私。

 ダンジョンマスター室でのんびりしていたらピコーンピコーンと音が鳴った。

 これは神様からの連絡だ、と私は念話を開始する。



「はーい、もしもし、神様!!」



 私は元気よく神様に声をかけるのであった。




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