後宮に入り、遊びます 3
正妃ちゃんを絶望させるぞーっと試行錯誤中の私だよ!!
ようやく、正妃ちゃんの評価を暗転させれそうな雰囲気にはなっているよ。
私が敢えて嫌がらせを受けた風にしたり、正妃ちゃんが何か悪いことをしてたって思わせているんだよ。
正妃ちゃん自身は何も怪しいことなんてしていないし、この国のためにって一生懸命なのだけど、幻覚とか見せてさ、正妃ちゃんが悪いことをしている風に見せているんだよね。楽しいね。なんて愉快なんだろうか。
オッドーってばさ、私の事を守るって張り切りすぎててうわーって感じ。私の事を一切疑っていない様子でさ。もう少し、疑った方が面白いんだけど。でもまぁ、その分、私の演技がきちんとできているからだろうけど。
さてさてそんな風に後宮の中で一生懸命活動中の私だけど、そうしながらダンジョンに一度戻るための準備もしているよ。
百年以上もダンジョンマスターをしていれば、色んなスキルが手に入るんだ。流石に私も万能ではないから、準備をしないといけないので準備を進めていた。
その準備がようやく終わった。
これで後宮と、外をつなげられた。オッドー達にばれることがないように、ひっそりと魔力を使って少しずつこの後宮の部屋に働きかけた。ダンジョンマスターとしての生活の中で私は沢山の経験をした。魔力操作をして空間を繋ぐこともこの生活の中で学んだことだ。
――とはいえ、流石の私でも自由に外と行き来するのは難しい。魔力をため込んでやらないと難しいのだ。でもそろそろ一度、ダンジョンの方に戻ってもっと遊びのための準備をしておきたい。
そんなわけでそのための準備として、私は《黒き死の森》のモンスターの一人である《ドッペルゲンガー》ちゃんを呼び出した。
ちなみにこの《ドッペルゲンガー》は、私とそっくりの姿をしている。私と似ているといえば似ているんだけど、私より可愛い性格だと思う。
「ハロー、ドーちゃん」
「マスター、こんにちは」
「私、ちょっとこれからダンジョン方面に戻ろうと思うから、その間、しばらくドーちゃんが此処で私のふりしてくれるかな? 髪も金色に見えるようにしてあげるから。それで、オッドーと男女の営みはしなくていいからね? 幻覚を思いっきりみせちゃえばいいから。ドーちゃんの大事な純血はもっと良い男に渡さないとね!!」
「マスター、命令をしてくだされば、マスターの代わりに私がその男の事を受け止めることも出来ますが。幻覚でよろしいのですか。マスターの望みであるのならば、私はなんだって致しますが」
「もー、ドーちゃんは可愛いな。駄目よ? ね、私の可愛いドーちゃんはもっと自分を大事にしなさいね? 私はドーちゃんの相手にオッドーなんて認めないもの!!」
可愛くない? 私に似せた《ドッペルゲンガー》って思えないぐらい可愛くない? 見た目、私にそっくりなのに!! めっちゃ可愛い私のモンスターだもの。
モンスターたちは私にとって可愛い存在だもの。誰か一人でも亡くなったら私はちょっとくそーってなるんだよね。モンスターだから冒険者にやられてしまうこともあるけれど……、最近はみーんな強くなったからそんな風になくなることも少なくなってるんだよね。
その分、冒険者たちに絶望を与えられていて楽しいよねー!!
さて、《ドッペルゲンガー》のドーちゃんにその場を任せた私は自分の姿を愛妾であるアイだとバレないように見えるようにして、外に出るのであった。
後宮生活も楽しいけれども、やっぱり守られている愛妾っていうのは性分にあわないんだよね。まぁ、この後の楽しみのために我慢するのはいいんだけど。その気晴らしもかねて……外に出るの。
一番の目的はもうやってきたっていう後輩ダンジョンマスターたちを視察しようというのだけど。どんな風に遊ぼうかなーと、あれだよね。やっぱり信頼させて色々遊ぶ?
それとも神様に許可をもらって、邪神様プレイみたいな感じで、「生き残ったものには褒美を与えよう」みたいなサバイバルでも近場数人でやらせようかな。まぁ、生き残っても楽しく殺すんだけど。
あとは国の中で力をつけてダンジョン攻略を国策として進めさせようとは思うよ。ダンジョンマスターで、魔人である私がさ、率先してダンジョンを滅ぼそうとするって面白くない?
あれだよね、『黒き死の森』にも行かせて、国力落とさせるのもありかな? 私が国の内部情報をすべてモンスターに言えば、楽しい虐殺が出来るわけだしさ。
うんうん、楽しそうだよね。
そんなことを考えながら私は、外を歩く。
そうしているうちに、一つのダンジョンを見つけた。
小さな小さなダンジョン……・出来立てのダンジョンだろうか。
ああ、思わず口元がニヤリとしてしまう。
つぶしちゃおうかな……という欲望も出てくるけど、もっと楽しくするために、一先ず我慢だね。
とりあえずダンジョンの場所を色々と探ってみよう。
そしてダンジョンが何処に存在しているか、それをマップで作って、それから楽しいゲームを始めよう。




