後宮に入り、遊びます 1
後宮入りした私だよー。
地球でもこの世界でも後宮なんて入るのは、はじめてだからドキドキのワクワクだよ!!
それにしても凄いお金かかっているよねー。やばいねー。こんな高級そうなところにいるとか、なんというかさ、壊したらどうしようとか庶民的な気持ちもわくよ。まぁ、後宮で寵妃プレイする予定だから、そういう気持ちは蓋をする予定だけどね。
あ、でも平民の寵妃としてならそういう高級なものを壊すことに対する怖さがあってもいいのかな?
さて、この後宮で私はどんな風に動くべきかな?
どんなふうに動いたら一番良いのだろうかとわくわくしているよ。寵妃としてどう動くかだよね。この国として良い寵妃でいるか、それとも我儘な寵妃でいるか。それも一つの分岐点だよね。いやー、しかし、国の一角を動かせると思うと、ワクワクするね。
どれだけかき乱して、どれだけ絶望に陥らせようか。
私がどれだけ傾国の乙女になれるかは分からないけど、出来る限り、傾国の乙女になれるようにする。
良い感じにかき乱して、最終的に国家滅亡とかいいなーって企んでるよ。
ちなみにこの国の人たち、結構私に対して持っている感情は色々だよ。
まだ王様であるオッドーに子供がいないから、愛妾である私を受け入れている人たちとか、まぁ、王様大変だから平民で気に入った子連れてくるの全然いいよ! って人たちもいるのだ。
反対意見としてみれば、平民の、どこの誰とも分からない存在をこんなところにつれてくるなんてとか、平民よりも自分の方が王様の目に留まりたいのにっていう貴族侍女たちとか、そういう意見もあるね。
あとオッドーの下でも私を気に食わないって人も普通にいるわけ。
後宮って女のドロドロ劇場だもんね?
なんて楽しそうで私好みそうな場所!!
ちなみにオッドーには、正妃が一人と、側妃が三人いるんだって。それで、私は愛妾一人目っていう!!
なんてハーレム。というか、四人もいるのに他欲しいの??
私ってば側妃の一人にめっちゃ睨められたよ。折角の美人さんなのに、そんな恐ろしい顔をするのはどうなんかなーってなるね。
そうそう、正妃の人とも会ったんだけど、その人、凄い出来た人だった。うんうん、私が魔人じゃなければ応援したくなる系の努力家な人だね。
夫が連れてきた平民の少女を受け入れるって、なんて心が広い。私が心健やかに過ごせるようにしてくれる気らしい。いい子だね!!
それにしても綺麗な人だよね。綺麗で真面目で、ちゃんと正妃としてやっている女性。そんな人がいるのに他に目が行くとか馬鹿だよねー。私、そういう人、個人的に好きじゃないんだよね。
オッドーは王様って価値があるし、私の傾国の乙女プレイのために愛妾になったわけだけど、そうじゃなきゃ近づきもしないよね。あ、ちなみに後宮入りして早速、オッドーは夜にやったよ。
幻覚見せて、そういう行為した風にしといたよ。実際にはしてません。私は嫌いな相手にそういうのしたくないしね。
それにしても正妃のことをオッドー嫌ってるみたいだね。昔からの婚約者なのに。というか、私の可愛い魔物たちに調べてもらった限り、凄い良い感じの正妃だよ?
それなのに可愛くないとか、何か企んでいるとか思っているっぽい。うーん、表情がちょっと硬いからかな。でも王族としては当然だと思うんだけど。
どうしようかなー。この正妃ちゃんをどんなふうにしようかな。
生ぬるい展開は私が面白くないし、神様の事を楽しませられないものね。もっと、もっと、楽しく、面白くしないとね? 折角、魔人である私がこんな後宮にまで入り込めているんだから。
正直言って、魔人である私が後宮にまで入れることはそうそうないだろうし。派手にやったらしばらくは後宮入りなんて出来ないだろうしね。
「アイ様、こちらのお召し物をどうぞ」
「これは……?」
「正妃であるタビタ様からの贈り物になります」
「まぁ……」
「アイ様は平民なので、お召し物もお持ちではないでしょう? タビタ様はとても素晴らしい方なのですよ」
綺麗なドレスまでプレゼントしてもらえて、私は本当に良い正妃ちゃんだなーって思ってる。
此処に愛妾として入った私が暮らしやすいようにしてくれている。
正妃ちゃんは、オッドーのことが大好きみたいだ。オッドーによく思われていなくてもオッドーが暮らしやすいようにしておきたいみたい。オッドーが私の事を気に入っているから。オッドーが私に癒されているから、だからこそ、私に心穏やかに過ごしてほしいって。聖人かよって感じだよ。
個人的に言えば、そういう子は嫌いじゃないよー。でもね、面白くするためにはこのまま幸せになったら駄目だよね??
もっと絶望させて、楽しい展開にしたいから……その聖人のような少女を、闇に堕としたいなーって思ってるんだ。
ふふふふ、どんな風に、良い感じに、聖人を堕とそうかな。本人が闇に堕ちなくてもいい。周りを良い感じに動かして、絶望に堕とそうかな。
楽しみだなー!!