2 不思議な出来事
色々チェック
「あれ?おかしいなぁ……」
数日後。朝起きてから洗面所に向かうと歯ブラシが新品になっていた。俺いつの間に交換したのだろうかと思ってから、ふと洗い物のところを見て昨日の下着が無くなってることに気づいた。
「洗濯したっけ……まあ、いいか」
一人暮らしだと色々たるむからどうしても忘れっぽくなるしこういうこともあるだろうと思い支度をして学校に出掛ける。と、駅のホームでこの前助けた美人なOLさんを見かけた。向こうも俺に気づいたのか近づいてきて言った。
「輪廻くんおはよう。これから学校かな?」
「はい。雪穂さんもお仕事ですか?」
美人のOLさん……名前は永久雪穂さんと言うらしい。実は助けた翌日から毎日こうして同じようなタイミングで会う。まあ仕事の時間だしたまたまだろうけど、こう毎日だと何かある気がしてくるよね。自意識過剰かな?
「そうそう、輪廻くん。今週の日曜日は空いてるかな?」
「はい。特に予定はありませんが……」
「じゃあさ、この前のお礼させてくれないかな?」
「え?いいですよ。そこまで大したことしてませんから」
「させて欲しいの。お願い」
そうまで言われてしまうと断れないので頷くと雪穂さんは可愛らしく微笑んでから女性専用車両に向かっていった。社会人ってやっぱり律儀なんだなぁとしかこの時は思わなかった。
学校が終わってから、家に帰宅する。1日疲れたから早く休もうとドアを開けてから何か違和感を感じた。別に物の置き場とか拘る方じゃないのになんとなく配置が違うような気がしたが……気のせいだろうとスルーする。
「はぁ……疲れた……って、ん?」
ベッドに横になってから仰向けになって壁の一部に視線がいく。何かカメラのレンズみたいなものが一瞬見えた気がしたが……気のせいだろう。俺なんかを盗撮しても意味はないし、キャッシュカードの暗証番号とかが流出するわけでもないし害にはならないだろう。
「にしても……なんか、帰り道変な視線感じたのは……流石に気のせいだよな」
他人の視線なんて9割は気のせいだろうしね。俺も疲れてるのだろう。それより日曜日着ていく服あったかなぁと、完全にこれらのことは忘れていたのだが……今にして思えばどれもあからさまだったよなぁと思う。
でも、気づくわけないじゃん。俺みたいな普通の高校生(自称)がストーキングされてるなんてさ。だってイケメンならまだしも俺ってばフツメンだべ?うんそう、そのはずなんだよ……ましてやあんな美人がやるとはマジで思わんでしょ?