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1 痴漢は犯罪だよ?

年上お姉さんストーカーしますw

自分という人間を語れと言われた時に真っ先に出てくるのはおそらく『普通』という言葉だろう。まあ、母親が男装趣味でよく男装してたり、中学生の妹が女の子ハーレムを作ってる点を除けばおそらく普通のはずだ。


高校2年生で、悠々自適な一人暮らしを満喫している。名前だって内田輪廻うちだりんねと普通……うん、ちょっとキラキラネームっぽいけど、でもルビとかではないからセーフのはずだ。


これからもそんな普通が続くと思って電車に乗っていた時に俺はそれを見かけた。


(ん……痴漢か?)


たまたま位置的にスーツ姿のOLさんに手を出してるおっさんの姿を見つけたのだ。全く……いい歳して本当に迷惑な。そう思いながら俺はそちらに向かうとガシッとおっさんの手を掴んで持ち上げて言った。


「はい、そこまで。モテないからって痴漢は立派な犯罪だよ?」

「な……なんだいきなり!してないぞ!」

「はいはい。事情は次の駅で降りてから話してね。してないなら別にいいでしょ?」


そうして色々言うおっさんをスルーして俺はそのOLさんに聞いた。


「大丈夫ですか?」

「は、はい……ありがとうございます」

「いえいえ。大事なくて良かったです」


触られた程度と言っても知らない人からされる不快感や恐怖は相当なはずだ。俺はOLさんに微笑んで言った。


「次の駅で降りてから駅員さんに説明するところまでご一緒しますよ。同じ男として本当に恥ずかしい限りですが……お姉さんみたいな美人さんを助けられて良かったです」


その言葉に顔を赤くするOLさん。あれ?この程度の子供のお世辞に照れてくれたのかな?まあ、少し遅刻することにはなるけど……こういう美人さんの可愛い反応を見れたしよしとするか。


そうして駅員さんにおっさんを突き出して、事情を説明してから俺は学校に向かおうとするが……その前にOLさんが追いかけてきて聞いてきた。


「あ、あの……お名前聞いてもいいかな?」

「俺ですか?内田輪廻です」

「輪廻くん……あの、ありがとうね。今度会ったらお礼したいからこれ、私の番号」


そうして渡された名刺には手書きで会社用じゃなく自分の番号を記載してくれていたが……社会人って律儀だなぁとしかその時は思わなかったのだ。


うん、だってさ、まさか一目惚れされていてそこからストーカー行為まで発展するなんて誰も思わないじゃん。実際俺はそんな可能性は1ミリも考えずに、しかも運良くというか、悪くというか生徒手帳をタイミング良く落としてしまったことも関係してるのだろうが……本当に世の中わからないものだ。






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