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調子に乗ろうぜ女神さん  作者: あひゅう
第一章 まずは異世界に馴染もう
9/9

第九話 運命の歯車はもう既に回っている ※何を言っているのでしょうかね?

今回は短いですが、重要な回の直前のお話なのでよく読んで感情移入してみて下さい。

 しばらくして、やっと馬車は止まった。街の暗い裏路地のさらに深い場所だった。ハリボテの木で出来たボロボロの扉が開き、スキンヘッドの男が出てきた。そして同時に馬車の周りをゴッツイ見た目の男が囲った。


「なんだ」


「新しい商品だよ。男の方は普通の奴隷としてだが。見ろ、注目して欲しいのは女の子供だ。なかなか上物じゃないか?将来有望だと思うのだが」


「………貴様、割れていないだろうな」


「ありえないから安心してくれ。大森林にいた孤児。いや、野生児だ。言葉はわかるから何かしらの事情アリだけど。充分値打ち物の筈だ」


 スキンヘッドは扉を閉め、数秒後にまた扉を開けた。この時スキンヘッドは手にクリップボードを持っていた。何かのリストのようだ。


「今から審査を行う。暴れないようにしっかり見張っておけ」


 スキンヘッドはニヤリと不敵な笑みを浮かべ、扉を大きく開けた。入ることを許可したのだ。


「わかりました。おい、早く入るんだ。結界は外した」


 商人?のおっさんが俺たちに命令する。


「……行くか……逃げられなさそうだし………ゼウス?」


 ゼウスは俺の横にピッタリとくっつき、黙りこくっている。


 ああ、そうか。今やっと気付いたのか。さっきまで疑っていなかったのに、俺の言っていたことが現実に起きているから。罪悪感でも湧いているんだろうな。


 馬鹿野郎。


「ゼウス」


「…?」


 俺は、ここで終わるつもいはない。前世ではあんな人生だったんだ。もう後悔や、悲しみに暮れたくない。自分の満足のいく人生を送りたいんだ。だから、


「安心しろ」


 あんまり長く喋るとバレる。短く端的に俺の気持ちをゼウスに伝えるには、この言葉くらいしか俺には思いつかなかった。

 俺の言葉に安心したのか、ゼウスは口をムグムグさせた後、顔を向けてコクンと頷いた。


「行こうか」


「うむ」


 俺たちはボロボロ、だからこその不気味さを感じさせる建物へと足を踏み入れた。

次回頑張りまっする

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