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死
「ん、雨か…急いで帰らないと」
走りながら考えるーー
ーーー僕は明日誕生日を迎える。毎年こうだ、物心着いた頃からずっと誕生日には雨が降っていた…だからといって別段気にする様な事ではないけども。
明日で僕は10歳になる。物心つく頃にはスラム街で生活をしていた。僕を拾った人によるとどうやら僕は口減らしに捨てられたらしい。昔に比べれば減ったらしいが今でも貧しい家庭では偶にあるらしい。ーーー
そんな事を考えていたらいつの間にか家(と言ってもただの廃墟だが)に着いていた。
「ただいま」
誰も居ない部屋に良く響く…
幼い僕を拾ってくれたおじさんは2年前、チンピラ同士の争いに巻き込まれて死んだ。おじさんの友人で僕の面倒を見てくれたモルトさんがそう教えてくれた。
「雨が強くなってきてる…」
今日辺りはどこかで人が流されても可笑しくない。地下水路に住む人達は特に危ないかもしれないな。
少し様子を見に外に出る。
ーーゴウンッッッッッ!!!!!
僕という存在は雷に打たれて死んだ。
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