取りあえずドロップアウトした俺の愚痴を聞いてくれ
よろしくお願いします。
時刻は午前4時――
カーテンで締め切られた真っ暗な部屋だった。
黒いジャージを身に纏った俺は一台のパソコンを目の前にしてタイピング音とクリック音が部屋中に響かせる。
ああ、説明が遅れてしまったな……俺の名前は珠希健、今現在絶賛休学中だ。
休学の原因は単純明快、ただ面倒で行きたくなかったからだ。
生涯使わないであろう数学やら物理やら英語やら諸々――クラスの仲間とか何のその――どうせ数年後には無関係になる物に何の魅力も無かったのだ。
逆に俺は何が何でも生涯自分の中で得られて、それが残り、やがて大きくなる物にとてつもない魅力を感じた。
一応俺は高校生なのだが中学時代はそんな事は思わなかった。
ただ、その魅力の快感に浸かった試しが無いだけだ。
俺の親は元々学歴至上主義で、家に帰る度には勉強、塾と面倒な事をしてくれた。それ故そんな事をしてる暇なんて無かったのだ。
まあ、そのお陰もあり何とか県内のトップクラスの高校に進学することが出来たのだった。
その学校は俺の家から結構離れていた為、学校から近所の学生寮に入れてくれることを許された。
しかし高校入試を終えてからある日のこと俺はある出会いをした。
それはアニメ、ゲームである。
その2つは俺に対し未だかつて無い欲求を満たし、且つ自身の心に印象深く残っていたのだ。
それに魅せられてから以来、俺は入学から数週間で学校に行かなくなっていた。
もう勉強なんて、どうでも良かった。