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Prologue 機械仕掛けの眠り姫

 その扉は、厳重な電子ロックによって封じられていた。

 そう、封じられていた。


 ――その扉は今、開け放たれた。


 地下室の中には、大小様々の工作機械やコンピュータが雑然と並んでいる。床や作業台には工具や割れたタッチパッドが散乱しており、全体的に酷く荒れている。寿命の切れかかった照明は息継ぎをするように光を途切れさせながら、か弱く内部を照らしている。この地下室は、明らかに何らかの理由で放棄されていた。

 何より目を引くのは、奥にある厚く重苦しい鋼の扉である。

 開け放たれた扉の先にあったものは、世にも美しい『作品』であった。


 少女の姿をした、機械人形(オートマタ)

 彼女は眠り姫のように、静かに、美しく、儚く。

 透明な保護液で満たされたクレイドルの中で、眠りについている。


『おい、これ使えないか?』

『回線を繋げ。……ふむ、興味深いな』

『どうなんだ?』

『起動はできる。問題ない。もしかすれば我々の手駒に使えるかもしれない。管理者(マスター)登録してみろ』

『わかった』


 インターフェイスに右手で触れ、遺伝子情報を流し込み管理者として契約を結ぶ。

 人の形をしたものの覚醒の儀式と言えど、その手順は酷くあっさりとしたものであった。


『……っと。ん、起動しないな』

『おかしいな、どこにも異常はない。問題なく起動しているはずだ。目を覚まさないのか? 何故だ? ……まあいい、所詮は偶然見つけたものだ。計画に移ろう』

『標的は?』

『醜く肥えた豚だよ』

『……OK。どう料理する?』

『縛って吊って晒し上げるのさ』

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