昨日宰相今日JK明日悪役令嬢 ワールドデータ その2
【王国中央】
王都オークラムを中心に、王室直轄領や自治都市から構成されるオークラム統合王国の心臓部。
世界樹都市メリアスもこの王国中央に存在している。
その多くが王室直轄地で、王室に任命された太守によって統治されている。
なお、都市領主が太守、自治都市の場合は市長と呼び方が区別されているので注意。
中央諸侯は基本的に伯爵以上の爵位を持てない。
それ以上の爵位を持つ場合、辺境諸侯として国替えさせられる。
とはいえ、元々領地を持たない法院貴族の出現によってこの原則は崩れつつある。
諸侯を辺境に追い出し、開発を任せる事で王室はゆるやかに中央集権を進めていた。
だが、辺境が開発されて諸侯が力を持つとこの関係は逆転し、王室は諸侯の支持なければ維持できないようになってしまっている。
人口密集地帯で、消費地としての側面が強い。
王都オークラムは中央の物資集積地であり、最大の消費地でもある。
統合王国崩壊時に徹底的に略奪されたがそのポテンシャルは高く、王国復興時には生産地としても機能していた。
【王都オークラム】
オークラム統合王国王都。
人口はおよそ100万を越え、『花の王都』と呼ばれる。
だが、その実態は半分以上が王都外城壁のスラムで生活している。
王都は二重城壁によって守られ、王宮『花宮殿』を中心に貴族の屋敷が並び、国政の最高意思決定機関である王室法院を中心に官庁街が作られている。
『花宮殿』を中心に東西南北を区切り、その担当にそれぞれの諸侯から派遣された騎士団、王都方位騎士団が王都を守っている。
王宮は近衛騎士団の管轄で、王室法院は法院衛視隊の管轄。
さらに街道警護の為の街道騎士団の拠点もあり、王都で何かあった場合これらの騎士団が対処する事になっている。
王国の次世代を担う王都学園が作られており、貴族の横暴を避ける為に自治が与えられている。
北部を源流とする大河イスロス川が流れ、その辺りにある河川交易都市テリアまでを王都に入れるのが慣例となっている。
【世界樹都市メリアス】
オークラム統合王国中央部にある世界樹とその周辺都市の総称。
古代魔術文明が北方のエルフと盟約を結んで世界樹の苗をこの地に植えたのが始まり。
その後世界樹は古代魔術文明によって改造され、世界樹と世界樹の花嫁によって豊穣の加護を古代魔術文明に長くもたらす事になる。
だが、古代魔術文明の崩壊によって世界樹と世界樹の花嫁の伝承が失伝し、慣習で続けられた世界樹の花嫁の変化によって不作を巻き起こす世界樹の呪いが発生してしまっている。
それに気づいている人間はほとんどおらず、オークラム統合王国の崩壊に伴う混乱で世界樹が枯れた上に焼かれてしまい、やっとその呪いが解ける事になった。
メリアスの市街地は山ほどある世界樹樹上に貴族等が住む市街地が作られ、その麓に一般市民が住む市街地が形成されている。
魔術師を育成するメリアス魔術学園は世界樹上に作られ、王都学園と同じく自治が与えられ多くの魔術師たちを輩出している。
【交易都市エルスフィア】
オークラム統合王国東部辺境と北部辺境の中間に位置する王家直轄都市エルスフィアは人口三万ほどの周辺で大きな街の一つである。
東方との街道筋からは外れるが、北部山地を源に流れる大河イスロス川の上流域にあり、オークラム統合王国中央部の北東外周部にあり、北部諸侯と東部諸侯の境界線上にあって揉めたので王室直轄領に組み込んだという経緯がある。
また、辺境部防衛拠点の要衝として辺境騎士団の一つである、エルスフィア騎士団の駐屯地でもある。
北部の山脈を源流とする大河イスロス川のほとりにあり、河川交易で木材を王都に運び、王都から物資を持ってくる事で生計を立てている。
エルスフィア北部には森林地帯が広がり、東部には草原が広がっており、南部には東部要衝タリルカンドに繋がる街道が延びている。
また、東と南は草原地帯になっており、南に極東大帝国へ向かう交易路へ繋がる街道が伸びている。
当然、騎馬民族が略奪にやってくる事があり、その警戒のための見張り台や砦が整備されていたが、それも前太守の放漫財政によって遺棄されて荒れたままになっている。
このあたりの開拓事業の中心都市であり、絵梨が昔拠点にしていたパトリはこのエルスフィアの北東部にある。
近年の不作傾向はエルスフィアにも波及しており、物価の上昇が主要交易路から外れたこの地への商隊を遠ざけて関所税収入を低下させ、その穴埋めに関所税を上げるという悪循環。
それに前太守が汚職のやり過ぎでエルスフィア騎士団や役人たちの給料の遅延が発生して周辺の治安が悪化、それでも地元商人に多額の賄賂を要求した事が反乱寸前の事態に発展し辞職。
近衛騎士団によって強制引退させられた結果、絵梨がこの都市の太守代行についている。
常駐している騎士団の戦力は300人程度を率いる騎士が四騎の1200人。
これに、絵梨の監視として派遣されたフリエ女男爵が連れてきている近衛騎士団300人の1500人が駐屯している。
絵梨の太守代行就任後、東部要衝タリルカンドと交易協定を結び経済は活性化しつつあり、住民は絵梨の統治に満足している。
【西部諸侯】
ベルタ公家を中心とし、王国西部開拓を任された諸侯。
海岸地帯であり、西方新大陸を植民地にして現在の諸侯で最も力を持っている。
先王の時に発生した王位継承争いで現王パイロン三世を支持した結果、現ベルタ公は執政官兼王室法院議長として権勢を誇っており我が世の春を謳歌している。
彼らの経済は、新大陸から穀物を輸入し、王国中央や北部諸侯にそれを売る事で成り立っている。
その為、穀倉地帯を抱えかつ王位継承争いで敵対した南部諸侯とは致命的なまでに仲が悪く、大陸交易路を収入源にしている東部諸侯とも利害が対立している。
現政権は西部諸侯と言いなりの北部諸侯の連立政権みたいなもので、現王妃グロリアーナは北部諸侯アンセンシア大公家の出身である。
ベルタ公は王位継承争いから権勢を誇り、その治世は可もなく不可もないというかたちで進められている。
その中庸さ故に環境変化に耐え切れずに統合王国は崩壊する事になった。
西部諸侯の兵科の特色として、海軍の存在がある。
統合王国海軍ではなく、西部諸侯軍の海軍である所に注意。
その為、大嵐での穀物輸送船団の潰滅は再建を自力で行うことを意味しており、一時的にだが西部諸侯に甚大な負担を強いる事になった。
その費用捻出手段が、街に入る時に徴収する関所税の増税であり、その抜け道である女神神殿の喜捨への課税問題である。
【北部諸侯】
アンセンシア大公家を中心とし、王国北部開拓を任された諸侯。
北部は山岳地帯や森林地帯が広がり、山岳地帯のドワーフや森林地帯のエルフとの居住地争いで人間にとってはあまり住みやすい土地ではなかったりする。
そんなエルフやドワーフとの生存競争に勝ち、血を混じらせて来たのが北方蛮族と呼ばれる連中の正体である。
基本的に食料が足りないから南下して略奪を繰り返した彼らにオークラム統合王国は東方騎馬民族とは別の意味で手を焼き続け、長い戦いの果てにある程度の境界線を策定する事に成功する。
その境界線の中心に位置しオークラム北方防衛の要となったのが城砦都市ファルタークで、アンセンシア大公家は北方守護の命を受けた分家王族とエルフの姫によって作られた家なのだ。
で、ここで気づいたことは無いだろうか?
不老に等しいエルフのお姫様が『興した』家。
つまり、そのお姫様ことアンセンシア大公妃はまだ現役バリバリだったりする。
アンセンシア大公妃が生んだ子孫が代々ファルターク公爵を名乗り、表立ってはこちらが全てを差配する。
だが、王室の一員となって北方守護の功労者、おまけにファルターク公爵家の血脈の祖であるアンセンシア大公妃を無視できる訳が無く、北部諸侯の事を指す時はファルターク公爵家でなく、アンセンシア大公家と呼ぶ慣例が続いている。
同時に、これが現在の北部諸侯の苦境である食料不足を招いている。
要するに、開発--森を伐採--する事ができないのだ。
そのくせ、世界樹の加護は発動しているから北部は人口が多く、北部諸侯が頭を下げて西部諸侯から穀物を買う羽目になっている。
アンセンシア大公妃を頂点に有能な連中を揃えているが、食糧問題が足かせとなって下手な動きができない。
とはいえ、ベルタ公率いる西部諸侯と連立を組んでいる形なので、食料が供給される限りにおいては現状維持で構わないという方針を採っている。
北部諸侯兵の特色はエルフやドワーフの特性を受け継いだ猟兵部隊であり、精霊魔法を駆使し地形を十二分に生かしたゲリラ戦に強みを持つ。
その為弓兵も強く、精霊使いや斧を武器とする軽装歩兵を排出している。
また、山岳地帯を抱えているので、飛行系の魔獣なども使われている。
【鉱山都市ポトリ】
北部諸侯勢力圏に属し都市の名前と同じポトリ伯が統治する、北部山脈南部の峡谷一つ丸ごと坑道が掘られている鉱山都市。
ポトリは古代魔術文明時からの鉱山都市なのだが、そのせいもあって古代魔術文明の遺跡も点在している
主な鉱物資源は宝石で、そこからとれる宝石とその装飾はこの地に住むドワーフ族の貴重な資金源になっている。
鉱山都市ポトリはその鉱山から採れる宝石を王都に売り、その売却益で食料等の生活物資を買ってこの地に運びこむことで成り立っている。
また、ドワーフ族が採掘に関与している縁から他の金属加工も産業として発展しており、鉱石を持ち込んで加工したものを各地に売っている。
その鉱害はドライアドであるアンセンシア大公妃の精霊魔法によって浄化されているので、周囲に緑豊かな森林が生い茂っている。
なお、この鉱山都市ポトリの迷宮は『世界樹の花嫁』における隠しダンジョンで無駄に広く、敵も強くてヤリコミユーザー向けに作られているというか、元がSLGだった事もあってそのSLGをここに押し込めたためガチダンジョンシナリオである。
その分報酬のアイテムとかは良い物が出るのだが、乙女ゲーのシナリオとは一切関与していないから出たアイテムでダンジョン攻略が楽になるメリットぐらいしかない。
で、それならば男に抱かれ続けて素の補正を上げた方が男は落としやすいという訳で、ユーザーからはあまり良い評判は聞こえなかったりする。
乙女ゲー以外の所でこのゲームをやったユーザーからは大絶賛されたのだが、そこは悲しき乙女ゲーという事で少数に留まっている事を付け加えておこう。
なお、このシナリオのタイトルは、『ドールマスターの人形工房』と言う。
ガチシナリオだからこそ、ゲーム製作陣がやりたかったことの鱗片が伺えよう。
世代交代に失敗したポトリ伯の無策によってダンジョンの魔物が外に出るダンジョンハザード寸前まで行って、北部諸侯と王室が直接介入に踏み切る。
その過程で、未発掘の遺跡を発見したが、その功績はアリオス王子のものとされ、次期ポトリ伯は北部諸侯の旗頭であるアンセンシア大公妃の指名によって任命された。




