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彼らは冒険をする者。僕は奪う者。  作者: やまたのおうち
1章 この気持ちに名前をつけるのならば。
14/18

第13.5話

ー???ー


はっ!はっ!はっ!


私が何をしたの?


屈強な戦士の相方に俊敏な人間が欲しいと言われて断ったらこんなことになった。


そんなことで、殺されなきゃいけないの?


どうしてなの?


きっと彼らが有名なモンスタートレインをわざと行うパーティーなんだ。


(俺達の顔を潰しやがって)


ちょっとまって?


私は断っただけなんですけどぉぉぉぉぉ!


とにかく武器がなにもないから、取られてしまって。


だから、気付いたら三階層でモンスタートレインをしながら逃げ回ってしまっていた。


ごめんなさい。


誰か、助けて!











急ぎ足で先へ向かうと一組の攻略組を見つけた。


「おい!誰だ、モンスタートレインをしているやつは!」


「なっ!誰だよ!お前!」


見たところ新人のようだ。急いでいるのに、相手に合わせていては遅すぎる。


「早く答えろ!」


そうすると違う新人冒険者の一人が話してくれた。


「俺はあの子を見たことがある。俺達と同じ新人の癖に依頼を次々とこなしてた」


「ああなるほど、アイツはソロだしヴァルハラで目をつけられたわけだ。有名なモンスタートレインのパーティーに」


「モンスタートレインをわざと行うパーティーがいるのか?」


「いるよ。最近は手口も巧妙になっているらしいから、ギルドに登録している冒険者には注意喚起が行われているんだ」


ふむ、ヴァルハラか。


それは気になるな。ていうか、僕は注意換気されてないんだけど。


「モンスタートレインが行われたのはいつ頃からか、知っているか?」


「知りません」


「そうか、ありがとう。これはお礼だ」


僕は教えてくれたパーティーに塗り薬を渡した。


「こいつは傷口の消毒と治癒を同時に行ってくれる優れものだ。切り傷くらいな直ぐに治る効力がある。仲間が傷付いてる時に聞いて悪かったな」


僕はそれを渡すと先を急いだ。



「あの人、誰だろう。あんまり見たことない冒険者だったね」


「誰が怪我してるって?」


「お前しかいないだろ。なに隠してんだ!早く見せろ」


「うっ・・・痛っ」


チャムが脅すように最初に声をかけた冒険者は腹の下の切り傷を防具で隠していたようだ。おどけた振りをしていたようだが、仲間に防具をひんむかれてことが発覚した。


「これ、大分酷いよ」


「だから、隠してたんだよ!俺たちは新人だ!こんなところで怪我してるのを見られたらお前らは俺を見なくなる。仲間からも外される。だから、隠してたんだよ・・・。それに塗り薬はまだ高い」


「そんな事、しないよ」


「今日初めて組んだばかりでなぜそんな事が言える?」


「お前ら、言い争ってるところ悪いがちょっと切り傷染みるぞ」


言い争っている二人を傍観していたもう一人が先程チャムにもらった塗り薬を怪我をしている仲間に塗り込んだ。


「くっ・・・染みっううう!」


「うそ・・・」


「まさか、これほどとはな」


「てめえ!勝手に塗ってんじゃねえよ!」


「まだ、痛むか?」


「はあ?痛いに決まってるだっ・・・ろ?」


「そんなに綺麗な肌をしているのにか?」


怪我をしている男の腹には切り傷などなく、褐色の綺麗な肌が見えていた。


「綺麗になおってるね」


「はっ・・・?じゃあなにか?あの野郎はよほどの冒険者だってのか?あの野郎だって声からして俺らと変わらねえ年の癖に!先輩ぶりやがって!」


「そんなこと言うなよ。彼のおかげで俺たちは仲間を助けられたんだ。そんな死ぬかも知れなかった傷を治してくれた彼に感謝しなければならないのは間違いないのだからな」


「それにしても、何をあんなに焦ってたんだろう」


「さあな、だが。いつかまた会えたら、お礼を言えるように俺たちはパーティーを解散するわけにはいかないな」


「!?、うんうん!そうだね!」


「ふん!良いぜ。俺もあの野郎に一言言ってやらなきゃ気がすまねえからな!」


ここに一つのえにしが生まれた。


この出会いをキッカケに彼らとチャムは近いうちにまた出会うことになるのだった。



彼らのパーティーはまた登場します。

その時には名前も、きっと。


???の子は次回と登場します。

少しだけ???の子の心の声を変更しました。

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