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彼らは冒険をする者。僕は奪う者。  作者: やまたのおうち
1章 この気持ちに名前をつけるのならば。
13/18

第13話

今回の三階層はイベントを起こしました。

ダンジョン三階層入口で、僕はアイテムポーチの中身を確認していた。三階層からは 蜥蜴人リザードマンが参戦してくる。


リザードマンはゴブリンよりも皮膚が固く、鋭利な爪と牙だけではなく尻尾による攻撃も稀に行う近・中距離型のモンスターだ。


こいつらを倒すのに必要なのが、一昨日に話したのより更に耐久力の低いナイフだ。ガレオさんの力を借りて遠距離から攻撃を仕掛ける。


壊れかけのナイフと言っても良いものだ。


それを五本用意している。何処かで落としたとかそういうのは無いようで一安心だ。なぜこれが必要なのか、それは悪意を付与する時の出力に差があり、耐久力が低いだけのナイフでは壊れないため、証拠隠滅を図れない可能性があるからである。


それと、塗り薬や包帯、食糧の確認を済ませると腰に差している本命の小刀に軽く触れて意気込んだところで三階への階段を登り始めた。



祝福のダンジョン・三階層


二階層までが入門用コースだとすれば、ここは基礎・基本確認コースと呼ばれるだろう。油断すれば何処も命に関わるのは変わらないのだけれど、しっかりとした見張りや現状の確認に注意を怠らなければ、確実に倒せるとされている。


しかしそれは複数対一の基準であり、僕のようなソロとは全く関係のない話である。


遠距離からじわじわとダメージを増やして、近距離で仕留める。これがソロ冒険者の過半数を占めていると思われる。


そう、今回狩る予定のリザードマンは五体。


行きますか。





「いないな」


どういうことだ?


リザードマンを全く見かけないぞ。リザードマンはゴブリンソルジャーのように、弱くなったら下位のゴブリンを呼ぶといった風な特徴はない。


三階層のボスもリザードマンと、変わりがないから入口から大分進んで一体も居ないことなどこれまでになかった。


誰かが出会ったモンスターを片っ端から狩っていったのか、微妙に入れ違いを起こしたか?それはない、僕は入口で15分くらい準備をしていたのだから。


戦闘が起きたにしては綺麗すぎる。地面に傷もなにもない。


余程三階層よりも上の階層をメインに攻略してなければここまで出来ないはず。


というのが、まず頭に浮かんでしまう。そういうことなのだろうと思おうとするが、心の何処かで嫌な予感がする。モヤモヤしてしまう。


何が、そうさせるのだろう。


とにかく前へ、前へ進む。




かれこれ、30分も歩いている。


ただ歩くだけだ。


戦闘も何もしてないのでいい加減、リザードマンが新たに沸いて出てきてもおかしくないのに。


先行して狩りをしている組が居るというなら僕と大分距離があるはずなのに、第二陣である僕がリザードマンと遭遇しないなんて。


そういえば、これと似た状況をガレオさんから聞いたことがある。何時だったかな、忘れてはないんだけど、どこか引っかかるというか蓋されてる感じがして出せないんだ。


ええい!僕はガレオさんを信奉しているのだろう!?


なら、そんな蓋外せずにどうする!!


ええい!ままよ!


(・・・。・・・そういや坊主を助けたときな。モンスターに遭遇しなかったんだよ。これってな、誰かがモンスターを仕留めずに連れ回してると新しいモンスターが再出現しなくなるんだわ。だから、坊主が何をされたか大方、把握してんだわ、だからよ・・・)


「あ・・・!?」


そうだ、モンスターが再出現しない条件!


(もう気の毒としか言いようがねえが、間違いなく坊主は誰かに殺されかけたんだよ。理由に心当たりはねえのか?モンスタートレインかモンスターキルをされる心当たりだ)


魔物を列車のように連結させることで第三者に害意を及ぼす可能性のある危険行為をモンスタートレイン。

魔物に殺されるように仕向けることをモンスターキル


誰かが、モンスタートレインをしているのか?


誰だ。


そんな馬鹿をするやつは。


馬鹿じゃねえのか?!


僕は、三階層の深部まで急いで向かうことにした。



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