あーかい部! 〜部室棟 乙女の干物 集まりて 怠惰を極め 綴るは実績 電子の海へ あゝあーかい部〜 65話 ご機嫌
ここは県内でも有名な部活動強豪校、私立 池図女学院。
そんな学院の会議室、現場……いや、部室棟の片隅で日々事件は起こる。
あーかい部に所属するうら若き乙女の干物達は、今日も活動実績を作るべく、部室に集い小説投稿サイトという名の電子の海へ日常を垂れ流すのであった……。
ここは県内でも有名な部活動強豪校、私立 池図女学院。
そんな学院の会議室、現場……いや、部室棟の片隅で日々事件は起こる。
あーかい部に所属するうら若き乙女の干物達は、今日も活動実績を作るべく、部室に集い小説投稿サイトという名の電子の海へ日常を垂れ流すのであった……。
池図女学院部室棟、あーかい部部室。
「ふぃ〜……。」
きはだが部室に入ると、ひいろが1人で妖怪図鑑を机の上に広げペラペラとめくっていた。
「おやおや、ご機嫌なものを読んでいるねぇ。」
「これ、きはだのか?」
「あさぎちゃんのだよぉ。」
「そうか。……にしても何故、妖怪?」
「そういうお年頃なんだよぉきっと。」
「あれであさぎもなかなかご機嫌なヤツだしな。」
「ご機嫌よう……?」
あさぎ入室。
「あさぎか。これはこれはご機嫌麗しゅう……だな。」
「ご機嫌いかがァ!」
「ご機嫌ななめ……?」
あさぎがいつものパイプ椅子に腰を下ろし、3人で机を囲んだ。
「なんだか久しぶりだねぇ、部活で3人揃うの。」
「ご機嫌な状況……だな。」
「今日は『ご機嫌』の日?」
「まあそんなところだ♪」
「ご機嫌だねぇ。」
「……あ、そういえば!」
あさぎは何かを思い出して手のひらにポンと拳を置いた。
「なんだ?」
「ご機嫌といえば、昨日『むらさき』の店員さん、めっっちゃご機嫌だった……!」
「あさぎも来てたのか?」
「たぶんすれ違っちゃったんだねぇ。」
『むらさき』はあさぎの家から学校と反対側にある、ちょっと大きな本屋さんである。
「昨日なんかさ、ハードめな本予約してたのに、歌ってるみたいにタイトル1発で読み上げてたもん……!」
「それは誇らしげに語ることじゃないと思うなぁ。」
「確かに、昨日店員さんにおすすめの本聞いたとき、ピンクの暖簾をファサッて潜ってたな……!」
「やっぱそうだよね!いつもはヒョイって感じなのに昨日はファサッだったよね!?」
「普段の所作を覚えるほど店員さんにピンクの暖簾潜らせてるのか君らは……。」
「ああ……!きっと何か良いことでもあったんだろうな。」
「店員さん、なんかフワフワしてたもんなあ。」
「地に足ついてなかったよね。」
「2人には是非とも地に足つけて生きてもらって
「きはだはまだ『むらさき』行ったことないんだったか。」
「うん?……うん。」
「もったいないなあ……。」
「きはだちゃんはそういう本は読まないからねぇ。」
「普通の本も売っているぞ?」
「その妖怪図鑑も『むらさき』で買ったやつだし。」
「なかなか手広いんだな。」
「うん、店員さんめちゃくちゃ誇ってたよ。」
「……あんまり店員さん困らせちゃダメだよぉ?」
「え?うん……。」
不意にバリっというご機嫌な音が静かな部室に響いた。
「「?」」
「ふ菓子、食べるだろ?」
「わぁい♪」
「お〜、ご機嫌だ……!?」
ひいろは部室に常備していた徳用サイズのふ菓子を開封して袋を机に広げた。
「さて、そろそろ来るころか……?」
ひいろが部室のドアを横目で見ると、白ちゃんがそのドアを開けて入って来た。
「やっほー、元気?」
「ほんとに来た……ッ!?」
「なんでわかったのぉ?」
「音で寄ってくると思ってな。」
「私ゃ猫かっ!」
「違うのか?窓からチラチラとこちらに聞き耳を立てている姿が見えた気がしたんだが……。」
「あ〜。何してんのかな〜って思ったら、久しぶりに3人で〜、みたいなこと言ってたから入りにくかったのかあ……うま。」
「え"……バレてた?」
「早く入ってくれば良いのに〜って心の中で嘲笑ってたよぉ……うま。」
「おい。」
「ったく、いまさら遠慮するような間柄でもないだろう……。」
「そう?…………そっかぁ♪」
白ちゃんは頬をゆるゆるにしてふ菓子へと手を伸ばした。
「えへへ、いっただっきまーす♪」
「「「ご機嫌だな(あ)……。」」」
「?」
この日、1番ふ菓子を食べたのは白ちゃんであった……。
ウィスタリア、きはだ(2)
きはだ:やあやあ
ウィスタリア:我こそは……?
きはだ:きはだちゃんだよぉ〜
ウィスタリア:キハダさんでした♪
ウィスタリア:キハダさんから話しかけてくださるなんて、うれしーです♪♪
きはだ:お〜、やっぱりご機嫌だあ
ウィスタリア:『やっぱり』?
きはだ:最近いいことあったのぉ?
ウィスタリア:ええ
ウィスタリア:とっても……♪
きはだ:へ〜、聞かせて聞かせて
ウィスタリア:ヤですっ!
きはだ:何故だ……ッ!?
ウィスタリア:ここで言ってしまったらサプライズできませんから
きはだ:よーし、OKだ。きはだちゃんは何も聞いていない
ウィスタリア:はうっ!?
きはだ:お〜、自分で気づけて偉い偉い♪
ウィスタリア:なんたる不覚……!
きはだ:制服着崩すのぉ?
ウィスタリア:気崩しはセンスないのがバレてしまうので……
きはだ:そっかぁ
ウィスタリア:でもでも!アクセサリーとかはケッコー自由にやっていいと言われました♪
きはだ:教頭先生優しいねぇ〜
ウィスタリア:はい♪
ウィスタリア:お店で声をかけてくださったのもあのお方でしたし……本当にグレートサンクスです♪
きはだ:なにそれ初耳
ウィスタリア:初めて言いましたから♪
きはだ:いつ頃来るのぉ?
ウィスタリア:おっと、その手には乗りませんよ……!?
きはだ:ちっ
ウィスタリア:わたくしを騙そうったってそうは頓馬が下ろしません!
きはだ:そんな頓馬ちゃんに残念なお知らせだ
きはだ:今までのトーク履歴を冷静に見返して見てほしい
ウィスタリア:しょーしょーお時間を……っ!
ウィスタリア:だ、だ、だ……
ウィスタリア:騙された……ッ!!??
きはだ:騙したっていうか勝手に喋ってくれたよねぇ
ウィスタリア:頓馬はわたくしだった……
きはだ:それじゃあ楽しみに待っているよ、頓馬ちゃん
ウィスタリア:待ってください!
きはだ:何かようかい?
ウィスタリア:キハダさん……、わたくしに何か『言うこと』はありませんか?
きはだ:あ〜、
きはだ:おやすみ
ウィスタリア:ちーがーいーまーす!!
きはだ:違うのかぁ……
ウィスタリア:ほら、『お』……?
きはだ:お悔やみ申し上げます
ウィスタリア:死んでません!!
きはだ:違うかぁ……
ウィスタリア:なんでわかんないんですか!?
ウィスタリア:わたくし、あのくそったれ難易度の編入試験に見事合格して見せたんですよ!?
ウィスタリア:おめでたいことなんですよ!?
きはだ:もう隠す気なくて草ァ!
ウィスタリア:キハダさんが鈍すぎるからです……!
ウィスタリア:頓馬さんなんですか……!?
きはだ:お揃いだねぇ♪
ウィスタリア:そうですね……///
ウィスタリア:ってちがーーう!!
ウィスタリア:ほら、『おめ』ですよキハダさん!
ウィスタリア:『おめ』……!?
きはだ:あ〜、そういえば言ったことなかったねぇ
ウィスタリア:さあ……!
きはだ:おめーのかーちゃん、でーべそ
ウィスタリア:ちーーがーーいーーまーーす!!!!
きはだ:違うかぁ……
ウィスタリア:なんで『おめ』から『おめーのかーちゃんでべそ』が出てくるんですか!?
ウィスタリア:頭の中おへそでいっぱいなんですか!?
ウィスタリア:お腹本揃えておきますね……!?
きはだ:残念だがきはだちゃんにそんな趣向はない
ウィスタリア:は……っ!?まさかキハダさん、本では満足できない……
ウィスタリア:……って、ダメですっ!?///
ウィスタリア:わたくしのおへそは夏まで待ってくださ〜い!///
きはだ:でべそはウィスタリアちゃんだったか……
ウィスタリア:でべそではないです(真面目)
きはだ:あ、はい
ウィスタリア:その、お腹は夏までに仕上げますのでもう少しお待ちを……///
きはだ:別に待ってないけど
ウィスタリア:そこは『待ってる』って言うとこじゃありませんか……!?
きはだ:あ〜!
きはだ:そっか、ようやくわかったよ
ウィスタリア:?
ウィスタリア:ま、まあわかってくれたのなら
きはだ:『お待ちぃ!』
ウィスタリア:その『おま』じゃないですっ!!
ウィスタリア:っていうか『おめ』です……!
きはだ:そうだったかぁ
ウィスタリア:キハダさんわざと外してませんか……!?
きはだ:うん
ウィスタリア:酷いです……
きはだ:だってお祝いは直接言いたいし
ウィスタリア:キハダさん……///
きはだ:じゃあおやすみ〜
ウィスタリア:おやすみなさい♪




