第6話
大学の学食以降、おれはなぜかサクナと顔を合わせていない
多分、キレてるんだと思う
サクナの分はそんなお値段かかんなかった
ただおれの裏メニューの値段がめっちゃ高かっただけだ
サクナに相談もなしに、超高額の伝票見せて驚かせたかっただけだけど
こんなことになるなんて
サクナは、些細なことですぐ機嫌を損ねたりする
今日、学校なんだよね……機嫌良くしてもらわないと……
『きょーや、ごめんなさい……』
学校の準備してると、いきなりサクナは謝ってきた
『昨日の夜、勝手に、カップラーメンたくさん食べちゃいました……きょーやのお夜食用の……』
……ま、まぁ、そのくらいなら許してやってもいい
『……あのローストビーフ、一流ホテルと同じくらい美味しかったのに……また食べたいな……』
サクナ、お前は確実にやめとけ
仲直りをして、学校に向かう
今日は授業がなく、委員会や部活動、アイスブレイクに費やされ、授業は午前で終わり放課後になった
「アルちゃん!部活動入る?」
「アルちゃん可愛いからさ、演劇部とかどうかな?それとも映像制作部とかは?」
サクナは囲まれてる
恐らく、いや絶対にその美貌が囲まれている理由なのだろう
おれは、お昼はどっかでゆっくりと食べようと思ってたのだが……サクナの面倒見ないといけないから、サクナと一緒に部活動見学することにする
演劇に映像制作……おそらく、サクナに演者をやらせるつもりなのだろう
あの美貌と顔なら、多少演技が棒でも大丈夫と踏んでいるのか
数多の勧誘があった中で、サクナが興味を示したのは
『きょーや、ここ、行く』
なんとオーケストラ部だった
向こうにいたとき、サクナはこういうのにあんまり興味なかったはずなんだけど……
「おふたりですが?わかりました!」
案内してくれた女子が部室へ入れる
やっぱり、女子の比率は多い
『きょーや、ピアノお願いね』
コイツ……
サクナはおれに向かってウインクをして、他の部員たちのところに行く
そして、何やらお話しをして、再びおれのとこに来た
「わしの、つめ、かくさないで、だして」
鷲の爪??
サクナはいったい、何のことを言ってるんだ?
おれは鷲なんか狩ったことなんて、一度もないぞ
「その女の子の言ってること、鷹の爪って意味じゃない?久しいね、響夜くん」
そう、聞き覚えのすごいある声がして
振り向くと、ベースを肩にかけたボーイッシュ美少女がいた
次の更新も18時です