第3話
おれとサクナのはじめての出会い
それは、留学先の学校のクラスメイトだったこと
向こうの学校に行って、可愛い子が多いなと思ったけど、サクナはその中でも群を抜いて可愛かった
まるで、妖精が生まれ変わった姿みたい
他の子とも雰囲気が違って、ほかはみんな仲良しなのに、サクナだけなんかひとり孤立していた
でも、今こそ仲良しだけど、サクナは最初はおれにすーごく冷たかった
あとでわかったことだけど、サクナのお家はすごく名門でお金がある家柄で
その地位やサクナの美貌目的でサクナと接触してくる人が多かったらしい
本人のスペックも高く、見た目だけじゃなくお勉強も高水準でこなしている
縁談とかもかなり舞い込んできているらしく、当時、サクナは男性不信に陥っていたらしい
だから、最初はおれにすごく冷たく当たっていた
でも、エレーナとサクナは仲良くて、おれは留学してほんとにすぐにエレーナと仲良くなった
エレーナからおれに話しかけに来てくれて、そこからサクナともなんとか仲良くなれた
街をエレーナと3人で歩いたり、おれのお部屋にきてアニメとか漫画とかを見せたりした
最初はエレーナからサクナを誘っていたけれど、しだいにサクナからおれに誘ってくることが多くなった
ある日、サクナは『"アル"じゃなくて"サクナ"って呼んで』とお願いしてきた
おれは、その時まで彼女のことを"アル"と呼んでいた
ミドルネームで"サクナ"と呼んでいたのは、家族や親戚くらいらしい
仲の良いエレーナでも"アル"と呼んでいた
そんなこんなでおれは"サクナ"呼びを始めた
そんなサクナと、なんで気まずい別れ方をしてしまったのか
それは、帰りの空港、サクナはお見送りに来てくれた
サクナは、いきなりおれの頭を掴んで無理やりディープキスをしてきた
サクナの舌が無理やりおれの口に入ってきて、お互いの唾液を交換する
そして、サクナはさよならと言ってその場から離れてしまった
おれのファーストキスはそこで奪われた
その後、おれは気まずくてサクナに連絡することはできなかった
サウナも連絡してこなかった
今もかなり気まずい
サクナもたぶん、そう思ってるはず
『ここ、サクナのお部屋、適当な空き部屋だけど、大丈夫?』
『うん、ありがときょーや』
おれの記憶だとサクナはほとんど日本語話せないはずなのでフランス語でコミュニケーションしてる
でも、留学したとなると、日本語話せないとキツいから、サクナは早急に日本語を習得しなければならない
でも、このクラスの美少女と同棲は……
『きょーや、今日からよろしく』
天使のような優しい声音で、そうおれにサクナは耳元で囁いてきた
そんなサクナに、おれは内心、反則だろと思ってしまった
明日は、14時の投稿となります