サクラと写真
のぞいていただきありがとうございます!
こちらは百合作品となります
一見友達とも言い難い距離感の2人をそれぞれの視点で描いています。
楽しんでいただけると嬉しいです!
side A
恋をしていた
斜め前の席を眺める
それが毎日の日課だった
決して目の敵にしているわけではなく、単純に好みなのだ
腰のまでの綺麗なブロンドの髪、とても柔らかそうで見惚れてしまう
彼女の瞳も好きだ
綺麗な澄んだ色の瞳、青っぽくもあり紫よりでもある夜空のような人を惹きつける瞳
自分とは対角の位置にいるであろう彼女が好きだった。
見ているのが日課だと言ったが、彼女と接点が全くないわけでもなかった
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「冬野さん今日も宜しく頼みますわ」
そう話しかけてきた相手はさっきまで自分が眺めていた相手である
それはそうとやはり美しい、きっとモテるんだろうと、そんな事を思いながら返事をする
「いつきさん、今日はどこにしますか?」
彼女との接点それは私からすれば奇跡のようなものだった
始まりは入学式、桜を撮っていたときの事
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「桜、綺麗」
写真が趣味でよく撮ってはブログにアップしていた
本当なら一眼レフで撮りたいのだが今日は入学式なのでスマートフォンに入っているカメラアプリで我慢する
まぁまぁ良いのではないかと1人で満足していると、声をかけられた
「あの、もし良ければ私のこと撮っていただけませんか?」
「ぇ、えっと…」
「そうですよね、初めましての相手に名乗らずお願い事なんて良く有りませんよね」
「私は如月いつきと申します」
深々とお辞儀をする彼女を見て咄嗟に自分も名乗らなくてはと慌てる
「あっ、えっと冬野とわ…です」
我ながら酷い挨拶だと思う
頭を上げると彼女と目があった
あっ…どうしよう凄い好みだ
「その桜の下で撮ってくださるかしら」
「私で良ければ…」
それにしても良く映える…
彼女と並ぶとどんな花でも引き立て役になってしまいそうだ
「とっても素敵!貴方…いえ冬野さんとても腕がいいのね初めの写真にぴったり」
「趣味程度ですけどね…初めって?」
「冬野さんに私の1年間を撮ってほしいの」
「365枚?」
こくりと頷く彼女は美しかった
つられて了承してしまった
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そして今に至る
「いつきさん、今日はどこにしますか?」
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side B
愛しのとわさん!!!
とわさんが私のことを見ている!!!!!
すき!!!!!!この席だと殆どとわさんが見えないのが嘆かわしい
チラッと後ろを見た時とわさんと目があってしまいそうでドキドキしましたわ!!
とわさん私のとこ見て何をお考えなのでしょうか…もしかしてどこか変?
いえ、そんな筈はありませんわ…だって今朝鏡の前でバッチリチェックしてきましたもの
あーーーもう!とわさんとお話ししたい!
早くHRが終わってくださいまし!!!!
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「冬野さん今日も宜しく頼みますわ」
今日も綺麗な黒髪クラゲヘア!良く似合っていますわ♡♡赤い瞳も白い肌に良く映える!!!!
これではきっと殿方から好意を寄せられているのでしょう…考えただけでも虫唾が走りますわ…!
要らないコバエは私が払わなくてはなりませんね!
「いつきさん、今日はどこにしますか?」
とわさんが今日も私の名前を呼んでくれている…尊い♡♡
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とわさんとの始まりは中学1年生の秋頃でした
一方的に私が知っていただけで初めてお話ししたのは高校の入学式
桜に夢中なとわさんを見つけた時のこと
とわさんにやっと会えた喜びで何も考えず飛び出してしまった
「あの、もし良ければ私のとこ撮っていただけませんか?」
「ぇ、えっと」
戸惑っているのもとても素敵♡
違うそうじゃないわしっかりしないと!
「そうですよね、初めましての相手に名乗らずお願い事なんて良く有りませんよね」
「私は如月いつきと申します」
深々とお辞儀をする、これは幼少の頃から仕込まれたもの
「あっ、えっと冬野とわ…です」
「その桜の下で撮ってくださるかしら」
「私で良ければ」
とわさんがカメラ越しに私を見てる!!!!なんて幸せなの!!!好き!好きよとわさん!!!
「とっても素敵よ!貴方…いえ冬野さんとても腕がいいのね初めの写真にぴったり」
「趣味程度ですけどね…初めって?」
「冬野さんに私の1年間を撮ってほしいの」
「365枚?」
こくりと頷いた
なぜなら聞き返す言葉が可愛いすぎて言葉が出なかったからだ
やりましたわ〜♡近づく口実GETです!!!!これからとわさんを私のものにする1年間にしますわ〜!!!
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そして今に至る
ここまで読んでいただきありがとうございました!
自分の好きを最大限詰め込めるよう考えながら書くのが凄く難しいですね…
2人の距離が近づくように応援していただけると嬉しいです!