7話 ようこそテレッサの冒険者ギルドへ
幼女が僕を抱えたまま片手で扉を開けた。
案外力持ちなんだなー。それか、この扉に特殊な魔法が掛かっているのか。
そうだ!こういうときこそ[観察]だ。
大きな扉に注目すると扉の取っ手の部分から[軽量化]という文字が見えた
ふむふむ[軽量化]という魔法なのか。
具体的には、どんなものでも軽く感じることができる。
なるほど、面白そうな魔法だな。僕もこういう魔法を使いたいな。
そんなことを考えていたら、幼女が止まった
「ようこそテレッサの冒険者ギルドへ」
と女の人の声が聞こえた。
どうやら受付みたいなところに着いたようだ。
受付には羽のついたベレー帽のような帽子に、ふわふわとしたフリルの付いた制服を着ていた受付のお姉さんがいた。
「ようこそ、お嬢ちゃん。今日は何しに来たの?」
そう、何を隠そうこの幼女は冒険者になりに来たのだ!(ついさっき知った情報)
「冒険者になりに来ました!」
と大きな声で答えたら、今度は受付のお姉さんの目が真丸になった。一瞬、時が止まったように感じたが気のせいだろう。
「は?、コホン。お嬢ちゃん、ごめんね。確かに今、冒険者は募集しているけど、お嬢ちゃんみたいな小さな子は冒険者になれない決まりがあるの。だからもう少し大きくなってかr」
受付のお姉さんが言い切る前に少女は
「小さくないもん!」
と言って、僕を投げ捨てられた。
投げ出された僕は宙を舞って床とのさっきぶりの再会を記念して熱いキスを交わした。
痛いっ、もっと優しく置いてくれよ。
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