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最高の宝探し

「もしかするとこれは…た、宝の地図じゃないのか。」

とんでもない物を見つけてしまった男は驚きのあまり腰を抜かした。

休日の気分転換でハイキングに来ていた男は、

悪路に足を滑らせ穴に落っこちてしまい、

偶然くぼみの中で、泥まみれの木箱に入っていた怪しげな地図を見つけたのだ。

「とにかく一旦持って帰って詳しい人に見てもらおう。」


大急ぎで家に帰った男は大学で考古学を研究していた友人を呼んだ。

「急に呼んですまない、実は古い地図を見つけたんだが。」

「ほう、これはなかなかの年代物だね。紙質からして海外で描かれた物だ。」

「すると本物の宝の地図ってことか。」

「そこまではわからない。

だがレプリカや古く加工された物ってわけではなさそうだ。」

友人が帰った後、さらに細かく地図を調べると徐々に新たな情報がわかり、

最初は半信半疑だった男も徐々に宝探しという現実離れしたロマンの世界にいざなわれる様になった。


以後、男は仕事が終わると連日図書館に通って歴史や地理を調べ、勉強に励んだ。

また、休みの日にはトレーニングをし、日々体力づくりも欠かさなかった。

毎晩寝るときは枕元に地図を置き、まだ見ぬ冒険の旅への期待に胸を膨らませた。

そうして何年か経ったある日、男は本格的に宝探しに出るべく仕事を辞めた。


男は何年もかけて調べあげた地図からの情報をもとに、

世界中の遺跡や山岳を旅して回った。

今までの人生では考えられないような険しい旅路であったが、

男は地図の先にある物のために一心不乱に歩みを進めた。


そしてついに、男は地図と完全に一致する場所を見つけた。

すっかり興奮しながら、地図の指す場所にスコップをあてて掘り続けると、

カツンという音と共に小さな箱に当たった。

箱を取り出して中を見ると、古い海外の言葉で描かれた手紙が出てきた。


【よくここまでたどり着いてくれた、おめでとう。

私も君と同じく、古びた地図との運命的な出会いを果たして以来、

世界中を旅して周り、同じようにこうして見つけた手紙を読んだ。

結論から言うと宝や財宝は存在しない。

本当の宝は君がここまでたどり着くまでに得た、

かけがえのない努力や知識、そして経験だ。

私は他の誰かにもこの素晴らしい宝をもたらすため、

先代と同じく地図を描いたわけだ…】


「そんな…嘘だろ、これだけ苦労して宝が無いなんて…」

男は絶望してしばらくその場で放心してしまった。

だが、しばらくするとふつふつと怒りが湧いてきた。


「今までずっと存在しない宝に振り回されたってことか。

許せない、ここまでにどれほど多くを犠牲にしたと思っているんだ…」

やり場のない怒りと虚無感に包まれた男だったが、ふと頭にある考えがよぎった。

「そうだ、私も誰かにこの気持ちを味合わせてやろう…

存在しない宝へと導く地図を描いて、とびっきり難しい謎も沢山用意するんだ。

そうして最後には、宝は無いぞと高らかに言い放ったビデオメッセージを叩きつけてやるんだ…」

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