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タイムトラベルの副作用

ピピピと音を立てながら、ランプが点灯する。

「準備ができたようだ。」

博士は大きな装置に乗り込む。


「博士、本当に行ってしまわれるのですね。」

「ああ、タイムマシンの完成は私の長年の夢だ。

この時間旅行は人類にとって非常に有意義な物になるだろう。」

「博士はこの研究に生涯をかけていましたからね。

機械の安全確認の方も問題ありませんか?」

「ああ、だが一つだけ心配が残っている。時間旅行の副作用だ。」


「副作用?そんなものがあるのですか。」

「装置作りには関係がなかったから君には説明していなかったが、

実は時間旅行をする時に装置もろとも強い重力の波に飲み込まれることが判明した。

それに伴って私の脳にも何らかのプレッシャーがかかり、

幻覚症状などを引き起こすかもしれないのだ。」

「何と、それでしたら中断した方が良いのでは。」

「いや、それもまだ仮説に過ぎないし、装置には特殊なシールドをつけてあるから大丈夫だろう。何より、これは非常に重要な実験なのだ。」

そうして、心配そうに見つめる助手を置いて、

博士を乗せた装置は時空の狭間へと消えていった。


「ここが未来の世界…遂に来たのだな。」

装置から降り立った博士は自分の手元のデジタル時計が

数十年後の未来であることを示しているのを確認した。

「何もない空間に降り立ったようだな。」


博士は広い原っぱのようなところに降り立ったようだった。

取り敢えず近くに立っていた女性に詳しくこの場所のことを聞いてみようと話しかけると、振り返ったその女はニコッと微笑むと突如ドロドロと溶け出し地面に吸い込まれていった。

博士が呆気にとられたのも束の間、地面からは大きな木が生えたと思えばその木はあっという間に枯れてしまい、突然暗くなった空から雷が落ちてきて木に直撃した。

木の割れ目からはするすると大量の蛇が飛び出し、空に向かって這っていくと、大きな花火のように模様を描いた。


「な、何だこれは。やはり幻覚を見てしまったようだ。

このままだと気が狂いそうだ、急いで元の世界に戻らねば。」

目の前の光景に恐れをなした博士は大急ぎで装置に乗ると、

再び時空の狭間へと消えていった。


その姿を遠目で見ていた未来の人々は話す。

「いやあ、面白い作品だったね。

最後の蛇のとこなんか、動きがユニークで芸術的だったよ。

空中キャンパスでのアート作品では君の右に出る者はいないね。」

芸術家風の若い男は笑う。

「はは、ありがとう。今回は形の変化をテーマに凝ってみたんだ。」

「それに突如現れた男が客観的にそれを観察して驚いて逃げ出す、

というストーリーもわかりやすくて僕の好みだ。彼、随分と良い顔してたね。」

「いやその男なんだけど、作品の中に登場させた覚えなんかないんだ。

投影機械の故障かな…」

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