第二話ッ!
適当にあしらわれた「おとちゃん」の下りもいつしかみんな普通に呼んでくれるようになっていた。
木々が無くなっていくのが明確にわかるほど進んだあたりでリヒに注意された。
『魔王様の前で無礼は流石に許さないですからね?』
む、僕とていいことと悪いことの区別がついているさ。真剣にしなきゃいけない場面はしっかりする。
「とりあえず静かにしてればいいんでしょう」
『結局わかってないじゃないですかっ』
『まぁまぁ、小さい脳みそなりに考えているのですから……』
さらっとゴブリンに猛毒吐かれたけど。おい。
「魔王城まだー?」
もうかれこれ2時間くらい歩いているのだ。引きこもりには山を歩く力なんてあるはずもない。許しておくれ。
『あともう少しだ。頑張るのだ』
「へいへーい」
ちなみにこのゴブリンの『もう少しだ』はもう6回目である。
おっ! なんか尖ってるものが見えた気がするぞ。あれが、
『あれが魔王城ですよ』
僕も魔王城って言いたかったのに。いや、言えばいいんだけどその場のノリってあるじゃん。流れというかさ。
何に対するわけでもない言い訳をグチグチと考えていると突如ふくらはぎに刺されたような痛みが走った。
「……イッ!! チョッ、チョモランマッ!!」
『摩訶不思議な悲鳴を上げてどうしたんだ』
「いや、なんか足に刺さって………これなに。枝? 蛇?」
俺の足に刺さってあったのは木の枝であった。
のだが足に刺さっている部分が蛇のような顔になっていて離さまいとガジガジ動いている。
意外とかわいい。
『いや、血が出てますけど…。人間って血が出たら良くないんじゃ?』
「んまぁ、なんとかなるさ。こいつ可愛いし」
ヘラっとしていたら背景に『ジトォ〜』って言う文字が見えそうなくらいの顔をしている奴らがいた。
すいません嘘です結構血が出ててきついです。
『こいつは枝蛇といって、まぁその名の通り枝に見えて見分けが付きづらいんです。特徴としては血がめっちゃ出たりする』
思ったよりアバウトだった!
僕は思ってたより腹が減っていたのか、
「こいつって食えたりする?」
ととんでもない質問をすると、
『貴重な栄養源ですよね。食ってみます?』
嬉しい(?)返答が来た。
どうやって食べるのか聞いてみると普通に焼いて食べるのだそうな。
「こいつって毒とかないの?」
『あー、人間には有毒って聞いたことがありますね。まぁでも、焼いてるし何とかなるでしょう』
………こいつ。
まぁなんとかなるべ。
「んーー、もちゃもちゃ…。おっ? 久々の食料だからか上手いかも」
宇宙人達も気に入ったのか細切れにした枝蛇をもぐもぐしていた。
…なんで僕が10分の1しか食えてないんだろう。
たが固くて歯ごたえがある。味はやはりといったところか野性味が強いというか。
だが予想の3倍はうまい。
空腹の力は偉大なり。
と感動したところでリヒがそろそろ出ましょうと立ち上がった。
グダグダしてるより移動したほうが後でもっとゆっくりできるそうだし、そろそろ行くかぁ。
と引きニート特有の引き締まらない決意を固めていざ出発と意気揚々とリヒの後ろに着いていく。
誤字脱字等あったら申し訳ございません!
文章や言葉遣いに違和感もあるかもしれませんが寛大な心でお許しください^^;
面白いと思ってくだされば幸いです!
読んでくださりありがとうございました!