潔癖症、異世界に割とあっさり転生する。
前の作品放置して新しく書き出しましたごめんなさい。
今度こそは頑張りたいです。
相変わらず下手くそです。
誤字脱字あったらすみません。
突然だが、俺は潔癖症だ。
正直外に出たくない。だって汚いから。
まあそんなわけで無職。
そんな俺がどうして外に出ているのかだって?
答えは姉夫婦の甥っ子の水鉄砲を渡しに行くためだ。
先週姉に無理やり外に連れ出され、公園で甥っ子と遊ばされ、俺の精神力はゴリゴリ削られた。
もうほんと二度と泥団子とかやめてほしい。
そんな甥っ子が好きなのがこの水鉄砲だ。
「だいじ!」とずっと抱きしめていたにもかかわらず、なんとうちに忘れて帰り、こうして俺が届ける羽目になったのである。
カバンには常に消毒スプレーが二本常備され、使い捨て手袋も20枚用意してある。
これであいつにまた遊んでとせがまれても対応可能……。
小さい甥っ子が俺の纏ったアルコールの匂いに逃げて行く姿を想像してにやけるくらいの余裕ができてきた頃。
まさか車にはねられるとは思うまい。
いやマジで。
俺の人生短すぎな。
遺影はあれかな……就職活動の時に撮った目が半開きの証明写真かな……んで友人代表スピーチは……。
突っ込んでくる車を見ながら、ぼんやりとそんなことを考える。
覚悟を決めて目を閉じる直前、何か青い光が見えた。
ん?
いくら待っても衝撃が来ない。
恐る恐る目を開けると、あったのは車の鉄の顔ではなく。
マジモンのゾンビだった。
「うわわわわわわああああ!」
絶妙に気持ち悪いバランスの目と鼻。しわしわどろどろの深緑色の皮膚。体のいたるところから出ている謎汁。
もうなんかあれだ。
きもちわるい。逃げよう。
そこでふと近所のじいちゃんが言っていたことを思い出す。
「いゃ〜湿布がくちゃくちゃになってしもうてのお〜。」
違う。
「いいかあ、熊とかとにかく怖いもんにあった時は、慌てて逃げちゃあいかん。じっとして、そろーりそろーりと後ずさるんじゃ。そしたらなんもしてこん。」
ああじいちゃんありがとう。
熊とゾンビなんて変わらない。
じいちゃんを信じて気持ち悪さと怖さに耐えてじっとしていると、ゾンビが突然鉈を振り落としてきた。
振り下ろした鉈は俺の髪をかすって地面に深く突き刺さる。
(じいいちゃあああああああああんんんんんんんん!)
俺の中のかっこいいじいちゃん像は崩れ去り、あっという間に湿布をくちゃくちゃにしまくるシワシワのじいちゃんが帰ってきた。
なにか。なにかないか。
鉈をもう一度振り上げたゾンビを見ながら、必死にバッグを探る。
そのとき、コツンと何かが指に触れた。
無我夢中でそれを引っ張り出すと、思い切りゾンビに向かって引き金を引く。
プシュッ。
吹き出されたそれがまっすぐにゾンビへと向かう。
するとそれが当たったところからどんどんしゅわしゅわ音を立てて溶けていった。
溶けて無くなったゾンビを見て、ゆっくりと手の中のそれを見る。
それはいつも俺を救ってくれるもの。
消毒液だった。
読んでいただきありがとうございます。
もしよろしければブックマーク等よろしくお願いします。