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スピア・スフィア戦記  作者: 星馴染
7/23

第007話 封印された人物

開いていただきありがとうございます!

9/10 1行40文字で書いていたら、ユーザーページで改行がガタガタになったので手直ししました。

読みづらくてすみません。これで見やすくなりましたかね……?

 

 ここで物語は四百年ほど前に遡る。

 

 シプラス国の騎士を目指して、多くの人が集まっている。田舎の農業国家にす

ぎないシプラス国に、これだけの人数の騎士希望者が集まるのは初めてかもしれ

ない。

 毎年恒例のシプラスの騎士の選抜は、シプラスの城内の広場で武を競い戦う。

 上位入賞者は報奨金か騎士爵を選ばせる。隣国と争いが激しいこの田舎の農業

国家に騎士に残ろうとするもの好きな者はほとんどいないため、ほぼ全員が報奨

金目当てであった

が……今年は少しばかり事情が違う。

「すごいな、あの人は神話に出てきそうな筋肉をしている。あの身体に触ってみ

たいねえ。

あちらは魔法に長けた一族だね。弓の名手揃いと言う部族までたくさん参加して

いるね」

 小柄な体躯に気の強そうな切れ長の大きな目を輝かせる。長い金髪をかきあげ

ながら、シプラス領の領主、ステッカー=シプラス『女王』は微笑んだ。

「収穫期までには新しい強固な軍が編成できそうだね」

 収穫の時期が終わると、どこの国も徴兵により小競り合いができる程度の人が

動かせるようになる。

 毎年のようにこの時期になるとシプラスは略奪を受ける。見目の良い男女を数

十人ほど攫われ、残された民が生きるギリギリの収穫だけを残して。

 これが収穫期のシプラスであった。

「卵を産むガチョウは殺さず毎日卵を産ませるべきだという諺があるけど、シプ

ラスは毎年大量の小麦を産む大地の女神ガチョウだね」

 シプラスでは小麦は大地の女神が産み落とすとされる。女神の子達を慈しみ育

て収穫した後は女神に感謝しながらパンにして食べるのだ。

「小麦を独り占めしたいのだろうかね。私みたいな男勝りの女でも女神の子達の

オマケならそれなりに魅力的に映るのかもしれないね」

 そう自虐的に言うとシプラスの宰相は苦笑いをした。

「大陸一の学府を首席卒業し、シプラスを建て直した大陸一美しい陛下が何を仰

いますか。むしろ女神の子がセットでしょう」

「そうかなぁ。そうなら、みんな男の子だねぇ。私のような頭でっかちの女の身

体でも欲しいらしい」

 冗談めかして身体を強調するポーズをとりドヤ顔をするステッカーに宰相は目

をそらして苦笑いをした。自国の女王陛下を売り飛ばすような真似をさせないと

いけないシプラスの現状に、シプラスの宰相は苦笑いしかできなかった。

 ステッカー=シプラスは美しい容姿をしていた。白い肌に絹のような腰まで伸

ばされた輝く金髪に全てを見通すような済んだ空色の目。

 女性の平均よりやや高い背丈に、ややしっかりとした肉付きをしている。

 大陸指折りの美人、少なくとも近隣諸国の王族達の中ではもっとも人気の高い

容姿をしていた。ステッカーは大陸の権威とも言われる学府を首席卒業した事や

農地の改革により収穫量を倍増させた手腕も賢者として評されている。

 シプラス国の直近の課題、収穫期の略奪を抑えられるような『軍の強化』とい

う課題に対して賢者ステッカー=シプラスが打ちだした策は、

『今年の騎士選抜上位入賞者でシプラス騎士となった者の中から伴侶を選ぶ』と

いう物だった。ステッカーは略奪から自国を守るため自分自身を餌に使い集めた

のだ。 


 ゾクリ、とする雰囲気に身を震わせ、ステッカーが参加者たちの方を振り返る。


 赤茶色の錆鉄のような色をした髪は短く刈られ獅子を思わせるようだった。

 身体が他より目立って大きな訳ではない。例年ならともかく、今年の参加者の

中にまじれば目立つような特徴は無い。筋肉質で鍛えられてはいるが、騎士とし

ては平凡の枠に収まる程度の身体つき。

 山賊と言われても納得してしまいそうなボロボロの冒険者服を身に纏っていた

その男は、粗野な印象を受けるぶっきらぼうな顔で一つ大きなあくびをして騎士

の選抜登録の列に並んでいた。

 赤茶色の髪色は珍しいと言えば珍しいが、それ以外に特に特徴の無いその男に

ステッカーは引き付けられる物を感じて、近づいた。

「貴方も騎士を希望しているのかな?」

 ステッカーがそう問いかけると、その男は下卑た笑みを浮かべて言った。

「うん、騎士?俺はここで戦って勝てばここの女王様、すごくいい女らしいんだ

が、そいつを抱けると聞いたから並んでいるだけだ」

 抱く、という直接的な言葉にステッカーは顔を少し赤らめる。その後、深い呼

吸をして、意地悪そうに男に向けて言った。

「ここは騎士希望の集まりだよ。武器を使った戦いだから、殺されちゃうかもし

れない。それに勝って騎士になった人達の中から伴侶を選ぶだけだから貴方が選

ばれるとは限らないよ?」

 男はステッカーのその言葉を聞いて面白そうに笑った。

「俺は強いから勝つのは間違いない。いい男だから選ばれるのは間違いない。後

はここの女王が俺好みのいい女かどうかだけだな。お前のような美人だったら最

高なんだが」

 ぐふぐふ、といやらしい目で見る男に、ステッカーは自分の身体を隠すように

身体を抱く。

 どこがいい男だ……野蛮をワイルドに変換してもこれは無いだろう……。

「自己紹介がまだだったな、俺はスピア。家名はない」

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