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禁断の恋
その日は、いつにも増して寒い日だった。
寒さをしのぐため、首に巻いたマフラーに顔をうずめる人々。少しでも暖をとるために、寄り添って歩くカップル。それを横目に、私は1人見飽きた道を早足で歩く。
お昼でも買っていくか。
どこにでもあるコンビニで、代わり映えしないお弁当の中から、一つを手に取り、退屈そうな店員のいるレジへ向かう。
そろそろコンビニ弁当も飽きたな。
そう思いながら、かじかんだ手で財布を開ける。
ちゃりん
お金が固く冷たい地面に落下した音がする。
ー落ちましたよ。
ーすみません。ありがとうございます。
振り返ると、そこには見慣れた制服を着た少女が立っていた。