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賭剣士になった主人公にダークとエロと冒険が待ち受けている。。  作者: ジャスミン
第一章 新世界から冒険する賭剣士
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第28話 再会

 

 ミイはロヘアの顔を隈なく確認した。


「・・・ほう、お前だったか、私を美しいと唱えたのは」


 ミイは直ぐさま腕を離した。

 ロヘアはその反動で尻餅をついたがそんなことはどうでも良い。


 ミイは今現状を確認するように周囲を見渡し、ロヘアに問いただした。


「で、私はどれくらい眠っていた?」


 ロヘアに問いただしても、見惚れているロヘアの耳に通っていなかった。

 それほど見惚れているということ。


「言語はあっているはずだが、それとも違う世界または、時が進み過ぎてしまったのか?」

「もう一度聞く。私はどれくらい眠っていた?」


 言葉を詰まらせながらロヘアは答えた。


「正確にはわかりませんが、恐らく1週間からそれ以上」

「私たちがこの火成岩の像をここへ運び入れたのは、1週間前のことですからそれくらいかと」


「1週間も時間を無駄に・・・」

「修復させるのに少々時間を取り過ぎてしまったか」


 ミイは一点を見つめ、耳を澄ました。


「・・・・」

「この国も悪よの」

「多くの悪人が蔓延っておる」

「ここもその一部ってところか」


 ミイは飛膜を思いっきり広げ、跳び立つ姿勢を見せた。


 この場から飛び去ると感じたロヘアはミイに思いっきり静止するように掴みかかった。


「お待ちを!」


 ロヘアの綺麗な胸に顔面を押し付けた。


「なんだ貴様!」


「お待ちを!」

「まだ行かないでください!」


 ミイはロヘア静止を無理矢理離し、天井を突き破ると外へ飛び出していった。


 その反動でロヘアは壁に打ち付けられ、気を失ってしまった。



 * * *



 満月が覗く雲一つない夜空。


 ミイはその可憐な飛膜を羽ばたかせ空中を飛んでいた。

 可憐に飛膜を羽ばたかせながら気持ち良さそうに。


 すると、五感をフル回転させながら、下に沈む街並みを見渡した。


 直径5kmほどの街に、火が灯っている箇所は少なかったが、飲み屋を中心とした箇所は火が灯っていた。

 その場所めがけて、ミイはスピードを加速させた。


 猛スピードで地面に一直線するが直前で可憐に着地。

 飲み屋街のある店舗を前に降り立った。



 * * *



 100人ほどは座れる飲み屋。

 暖色の間接照明が店内を薄暗い小洒落た雰囲気に仕上げていた。


 こんな深夜にも関わらず、店内の80%の席が埋っていた。

 店内はジャズが流れ、店員がカクテルをカウンター席にいる客に送り、仲間同士会話を弾ませる客。

 店内は良い雰囲気を保っていた。


「コツッ コツッ」と靴底を地に反発させる音が近づいてくる。


 飲み屋の扉が開いた。見ると茶髪のロングヘアの女性が店内へやってきた。

 ウエスタンファッションを身に纏い、ツバが大きめなハットを被った綺麗な女性。

 腰には一丁のシルバーのリボルバーを装着していた。


 そんな綺麗な客が入って来たことに店にいた客は見惚れていた人物もいた。


 その女性はカウンター席に座ると、ブランデーロックを注文した。


 しばらくすると、ブランデーロックが運ばれてきたと同時に、右席を二つ空けた所に座っていた30代ほどの男性がその女性に声をかけた。

 ナンパに近いことだろう。


「お姉さん歳いくつ?」

「綺麗な瞳だ」


 古臭い決め台詞をかますが、女性は一つも返事をしない。


 女性はブランデーロックを一瞬にして飲み干した。


「お姉さんお酒強いのか?」

「ロックをそんな勢いで飲むもんじゃないよー」


 女性はその言葉にも無関心。


「マスター! この女性にこの店で一番高い酒を頼む!」


 そう言い放つと、決めポーズのようにドヤ顔を女性へ向けた男性。


 しばらくすると、お酒が女性の元へ運ばれた。


「さあ、お姉さん飲んで飲んで!」


 女性はお酒の入ったグラスを手に持つと、顔を男性に向け、目を合わした。


 やはり美しいと男性は何度も脳裏に焼き付けた。

 すると、女性はゆっくりと言葉を開いた。


「ありがとう」

 美しい笑顔とともに。


 女性は再びお酒を一気すると


「ごちそうさまでした」


 なんて礼儀も正しい女性なのだ、必ず持ち帰りたい。そう決心をしようとしていた男性。


 だが、女性は席を立つと、4人席に座る3人の男女の席に歩みを入れた。


 3人の男女は楽しようにお酒を交わしていた。

 エルシャ、シュルツ、ジェームスの3人。


 3人は上下関係などなく、仲間として活動を始めようとしている現状。

 4人席とはいえ、ジェームズの隣に席が開いていた為、女性はその席に歩み寄った。


「ここ、座ってもよろしいですか?」


 可愛らしい笑顔だった。



【NEXT】



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