欠落した過程 5
マリーがエルフとなり、数日が経った・・・・どうやら、エルフたちとの関係は悪くないようで、気軽に話すところを多々見ることがあった。
本人の元の素質のようなものもあるのだろう。彼女は、人と関わりを持つのがとても得意だった。
――――そして、私はというと・・・・。
「ふぅ・・・・ざっとこんなものか・・・・」
さわさわと揺れ動く草原の真ん中、木の壁を触り、上をみて出来栄えを確認する。
その木は天高く伸び、まるで大きな建物のようだ。――――我ながら、中々な出来栄えだと思っている。
数日後、ここにエルフの拠点を移動させるつもりだ。
中には全員分の部屋と、ある程度の施設・・・・生活に必要なものはもちろん、これからやることに必要となるものをそろえた。
特に頑張ったのは食料だが・・・・どうだろうか。
「・・・・少し確認するか・・・・」
体を宙に溶かし、自分の体を殺す。
――――確か、食料庫はここだったか。
まるでコンセントを繋げるように、自分の指紋から意識を接続させる。
腕から頭――――足、胴と体を形成し、疑似的ワープをする。
出た先はとある一室――――いくつか扉があり、どこからでも来られるようになっている。天井にはツタが伸び、びっしりと天井を覆いつくしている。
「おい植物、ハンバーガーだ、ハンバーガーを出せ」
天井に伸びているツタにそう呼びかける。すると、ツタが目の前まで下り、先から果実を実らせ始める。
その果実は完全に熟すと、手のひらの上にポトリと落ちる。
プルプルと震えるそのオレンジ色の果実は、明らかにハンバーガーではないことが分かる。
――――さて、見た目は最悪だが・・・・味は大丈夫なはず――――!
えいっ、と口に果実を放り込むと、体と言う体全身にその味が澄み渡る――――これは・・・・ハンバーガーだ。
食感は完全に果物だが、味はハンバーガーそのもの・・・・上手くいっているなら、栄養もしっかりと取れているはずだ・・・・これなら安心して皆に提供できそうだな。
「おっと、忘れていた」
壁に手を触れ、植物に意識を向けてコントロールする。
いけない、いけない。子供でも簡単に操作できるようにしなければいけなかったんだ・・・・一応、他のところも点検しておくか・・・・面倒くさいが、皆のためだ。
壁から手を離し、「ふうっ」と額を拭う。
――――さて、まだやることは沢山だな。




