それぞれの思い 4
「・・・・想像した物を創造することができる・・・・確かに恐ろしく強い能力ですわ・・・・」
マリーは銃を構えなおし、「しかし――――」と続ける。
「それを扱いきれるかどうかは、扱う人間次第ですわ!」
マリーは引き金を引き、こちらへと射撃する――――が、しかし・・・・
「な・・・・!避けて――――?!」
「・・・・いっておくが、弾丸は全て見切っている」
「!?」
足元に撃たれた弾丸を、足をヒョイと上にあげることで避ける・・・・。
相手がマリーでよかったと、心から思える・・・・おかげで、思考が読めやすい。
「弾丸を見切った・・・・?何を言って・・・・」
「信じられないか?だったらお前の実力の問題だ、俺が避けていないのならば、お前が狙いを外しているだけだからな」
「・・・・私が狙いを外すことはありえませんわ・・・・しかし、ならば本当に見切ったと?!」
「撃つ場所が分かれば・・・・避けることなんて、容易いと思わないか?」
「撃つ場所が分かる・・・・?そんな超能力のようなこと・・・・」
「たとえば――――この銃の弾で壁に穴を空け・・・・その隙間から、敵の思考を読むことが出来る俺の仲間が合図を送る・・・・みたいな」
「・・・・!まさか――――!?」
バッ、とマリーが後ろを振り向く・・・・見ている先は、さきほどマリーに撃った弾丸が飛んで行った方向・・・・。
しかし、その先の壁には何も変化はなく、マリーはホッとした顔をする。
「・・・・弾丸で、壁に穴を空けたとでも思ったか――――?」
「!!」
背後から聞こえた声に、マリーは驚き振り向く――――が、もう遅い――――!
肩に指先を押し付け、まるで銃でも撃つかのような素振りをする――――
すると、指先からキューブの塊が真っすぐ飛んでいき、マリーの肩を貫通していく。
「クッ・・・・!あぁ!」
しかし、ただではやられないと言わんばかりに、思い切り腹を蹴られる。
蹴られた衝撃で、体が反対の壁にまで吹き飛び、背中から衝撃を受ける・・・・。
「ガッ・・・・!」
衝撃と痛みに、思わず声がでる。
しかし――――これで銃は持てないだろう。
「ゲホッ!ゲホッ!・・・・お前は優しい――――それは、ウィスの犠牲とお前の発言から分かる。そして、それが分かれば大体の撃ってくる場所なんて把握できるもんだ」
「はぁ・・・・はぁ・・・・!私が優しい・・・・?!」
ラブは前かがみの姿勢でむせながら、マリーは肩の痛みに襲われながら会話をする。
「あぁ・・・・たとえば最初の不意打ち――――本当に相手を殺す気ならば、真っ先に頭を狙うはずだ・・・・しかし、お前はそれをやってこなかった――――殺したくないって思ってんだよ、それが無意識かどうかは知らないがな」
「はあはあ・・・・ふっ、しかしそれだけでは――――」
「あぁ、まだある」
マリーの反論を遮るように、ラブは続けて説明する。
「お前は、わざわざ俺を階段から姿を現させてから撃とうとした・・・・狙いが定まらないから、というのもあるかもしれないが――――やはり、それは殺したくないからこその発言だったと思う・・・・現に、「苦しんで死ぬことになる」と、忠告までしてくれているしな」
「ふぅ」と、やっと呼吸が安定したため、前かがみの姿勢を戻す。
「だからこそ――――優しいお前は急所ではなく、あくまで無力化を狙う・・・・たとえば、足を撃って歩けなくするとかな」
優しいからこそ撃たれる場所は限られる――――だからこそ、避けることが出来る。
「・・・・ほら、今だって――――わざわざ俺の話を聞いてくれて体力の回復までさせてくれた・・・・ありがとう、優しいエルフさん♪」
「クッ・・・・!」
思い出したかのように、マリーは銃を構えようとする――――が、肩を負傷していることにより、痛みで腕を上にあげることができずにいる。
「やめとけよ、俺だって殺しはしたくないんだ――――大人しくしておけば肩の傷も広がらないぞ」
「・・・・ふっ、心遣い・・・・大変感謝いたしますわ・・・・あなたも、優しいんですわね」
「しかし――――」と、マリーは言って。
「あの人には恩がありますわ!だから、あなたをここで倒しますわ!」
無理矢理に、マリーは銃を持って構える。




