地下の最強 5
カツカツと――――箱と板のぶつかる音が繰り返される。
運動ではない、だがスポーツとも言われるこのゲームに、鼓動は早まり、二人の体は徐々に熱を帯びていく。
一手一手が攻撃となり、防御となるこのゲーム・・・・。
そんな攻防戦の中――――押されているのはこの少年、ウィスだった。
何故だ?何故なんだ?何故オイラがここまで――――押されている・・・・!?
このゲームを思いついたとき、オイラはこのゲームをやりたくて仕方がなかった。
ざっと計算しても、無量大数を超えるほどのパターンを持つこのゲーム。
そんなゲームに、オイラはすぐにのめり込み、その日から常に練習を繰り返した。
考える隙すら与えない攻撃の動き、その攻撃すらも防ぎきる守りの動き――――何度も試行錯誤を繰り返し、編み出したこの戦法・・・・しかし、この男はその全てを完璧に返してくる。
まるで、「ここに粗があるぞ」と言わんばかりに――――
「・・・・クソッ!」
どうしても不利な状況になっていく戦況に、イラつきがまして感情が声に出てしまう。
そして、それを見逃すまいと、その男はニヤリと笑い――――
「気になるか・・・・?」
「・・・・何がだよ」
「いや、どうして負けているのか分からなそうな顔してるからさ」
「・・・・・・!」
「お前の使うその戦法、確かに悪くないが・・・・見飽きた戦法だ、何度も見てれば簡単に対処もできる・・・・その対策の対処も同様にな」
「見飽きた・・・・?このゲームはオイラが考えたゲームだ、まさか・・・・すでに考えられていたってことか?」
「まあ、俺の国ではすでに考えられていたが・・・・ここではお前が初めてだ、その年で思いついたのも、独学でこの戦法にたどり着いたのも・・・・誇っていいと思うぜ?だが――――」
その男は箱を持ち、それを天高く上げると・・・・
「これで――――チェックメイトだ」
そう言って、箱を板に叩きつける・・・・男の言っている言葉は分からない・・・・が、それがゲームの終了を、詰みを意味することは戦況から分かった。
――――チェックメイト・・・・おわり、か・・・・
「・・・・ギャハ・・・・ギャハハハハハハ!悪くねぇ!最高の気分だ!」
後ろに倒れこみ、涙を流しながら盛大に笑う――――
――――――最高だ、あぁ・・・・最高に悪くない。
あまりに最高すぎて・・・・あまりにも悔しい・・・・だが、そんな気分も――――悪くない。
「・・・・オイラの事情・・・・事情、か・・・・」
体を起こし、男の目を見る――――
初めて自分を負かした男、初めてここに入った男・・・・初めて――――オイラと戦ってくれた男だ。
「・・・・いいぜ、おめぇには何でも話してやるよ・・・・勝手に取り付けられた約束だが、聞いてやる・・・・それに――――」
それに――――そっちのほうが・・・・
「面白そうだ!オイラは、おめぇになら何でも話してやるよ!」
チェスのルール勘違いしてましたあああああああああああ!
チェスはポーンしか成駒になりましぇえええええええええええん!
修正はしましたんで許してください!何でもしますから!




