地下の最強 3
エレベーター・・・・のようなものから出て、その部屋の中へと足を踏み入れる。
壁には外の風景が映っている大量のモニター、その下には操作をするためのものだろうか?ボタンやレバーなどが大量についている机がある。床には絵の描かれた紙が散乱しており、どれもこの世界には無さそうなものばかりだ。
まるで地上から地下に行くまでにタイムスリップしたかのようだ・・・・
「とりあえず座れよ、色々散らばってはいるが椅子はあるからよ」
すると、床から柔らかそうな椅子・・・・いや、ソファのようなものと木でできた机が出てくる。
ウィスは近くに置いてあった椅子に座ったため、ラブは床から出てきたそのソファに座り、二人で机を挟む形で座ることとなる。
それにしても・・・・
「他の人間はいないのか?」
「あ・・・・?他の人間・・・・?」
ウィスは「・・・・」と、しばらく間を置くと口を開く。
「・・・・ここにいるのはオイラだけだよ」
「・・・・お前だけ?じゃあここを作ったのは?」
「当然オイラだよ」
「・・・・歳は?」
「歳・・・・記憶している限りでは10かそこらだったはずだ」
「・・・・」
驚きのあまり、口を開いたままの状態で呆けてしまう。
「・・・・やっぱり、おかしいのか?」
ウィスはそのラブの姿を見て、そう問いかける。
「・・・・まあ、普通ではないな」
「・・・・そうか」
ウィスはその言葉を聞くと、下を俯き、どこか悲しげな声でそう言う。
「・・・・だが、これだけの施設をどうやって作ったんだ?上にいる奴らとかに手伝ってもらったのか?」
「いや、オイラ一人だけだ・・・・生まれつきの体質なんだよ、作ろうと思えば何でも作れちまう」
「体質・・・・」
到底人の力ではできない事だ、それを「体質」の一言で済ませ、「生まれつき」だという発言から、ずっと思いついてはいたが、所詮予想のままだった考えが確信へと変わる。
――――こいつ、「元最強」か・・・・
「体質」だと、「生まれつき」だと、それがおかしいということに自覚がない発言から、力を譲り受けた「現最強」ではなく「元最強」だということが分かる。
しかし、あまりにも近未来的な・・・・それも、自分の世界での「近未来」な技術だ。
「まあよ、この施設のことはいいからお前の話でもしようぜ」
「俺の・・・・?」
「あぁ、あんな空き家に向かって何してたんだよおめぇ」
「あー・・・・あれか」
この地下施設に来る前のことを思い出す・・・・建物に向かって、それも誰もいないような空き家に向かって「太郎」という名前を付け、「扉を作れ」や「破壊しろ」だの・・・・傍から見ればそれはなんとまぁ・・・・
――――もしかして俺・・・・不審者じゃね?
そうは思われなくても、少なくとも「変人」ではあるわけで・・・・
そもそもこの村の人間じゃない時点で怪しいわけで・・・・
「あれよぉ!本当に面白かったぜ!」
「そりゃどうも・・・・」
そう言いながらゲラゲラと笑うウィス・・・・その顔は年相応の少年のような笑顔だ。
「・・・・で、あんたは何者だ?どうやらあの女どもの森から逃げてきたようだが」
「――――!」
「一応あの森からこの場所までの経路は全て俺の目が付いているんだ・・・・まあ、あんたは何を言っているかは分からないだろうが――――オイラの後ろの鏡みてぇなヤツを見れば分かるだろ?あの道は全部、この鏡で分かるんだ」
そう言いながら、ウィスは後ろのモニターを「鏡」と言って親指で指さす。
その顔つきは、さっきまでの笑顔とは違い、険しいものだ。
(^m^ )…




