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地下の最強 2

灯りのひとつもない階段を、壁に触れながらゆっくりと下りる――――


――――いったい、これはどういうことなんだ?急に地下から声がすると思ったら急に階段が現れて・・・・


目を向けるべきはその技術、こちらの世界ですら、これだけのことをするには大量の人手と費用が必要となる。

聞こえた声は一人だけだったが、これだけの技術だ、この奥に複数人はいると考えていいだろう。


・・・・それにしても、どういう原理で動いているんだ?

からくり等の類だろうか、この世界に電力なんてものは無いはず・・・・必要な電力を魔法か何かで応用・・・・?そんなことが出来るのだろうか?


「――――痛って!」


ひたすらに階段を下りていると何かにぶつかる。

手探りで目の前の物を触ってみる――――これは・・・・壁?


――――そう、壁だ。

下りるまでにずっと触ってきたものと同じ、ただの壁だ。


まさかこれ・・・・


壁に耳をあてて壁を叩く――――この奥・・・・空洞になっている。


「あー、ちょっと待ってくれ!今開けるからよ!」


地上で聞いた声と、まったく同じ声が聞こえてくる。

すると・・・・ガコン!という音が鳴り、目の前が明るく照らされる。


「うっ!」


急な眩しさに驚き、目元を腕で覆うような形をとる。


「おぉ、すまねぇ!すまねぇ!なにしろこの家から出ないもんでよ、灯りのこととか忘れてんだわ」


「・・・・お前が、俺に話しかけていたヤツ・・・・なのか?」


「――――あぁ、オイラがこの楽園の主・・・・()()()だ」


・・・・てっきり、こんな物を作り出せるのは少なくとも自分と同じかそれ以上の年齢だろうと――――そう考えていた。

ただの先入観だ、ただの妄想だ、だが・・・・それでもだ、それでも驚きは隠せない。

まさか、まさか――――


開いた壁から現れた、ウィスと名乗るその男は、綺麗な金髪をしていた。

服装も小奇麗な物を着て、この村にいる他の人間とは少し違った雰囲気を出す。

・・・・しかし、その雰囲気は服装からだけではない。

誰しもがその男を見れば思うだろう、この男――――


――――身長が低すぎる・・・・!


およその身長を出すならば120cmほど、だいたい小学二年ほどだろうか、とにかく・・・・このウィスという男――少年は、この建物を作ったとは考えられないほどの体格だった。


・・・・いや、俺の予想では複数人いるはずだ・・・・そう考えれば、こいつみたいなのがいても不思議ではない・・・・のか?


「ま、とりあえずオイラの部屋に来いよ」


「お、おう・・・・」


片手をポケットに入れながら手招きするウィスに誘われ、壁になっていた場所を通ると、壁は自動ドアのように中に入った瞬間に閉じ、何の変哲もない壁と化す。


――――やはり凄い技術だ。


壁の奥はさっきまでの道とは違い、所々にランプのようなものが置かれ、明るく照らされていた。

しかし、普通のランプのように火がともっているのではなく、まるでLEDランプのように眩しかった。


「じゃ、行くぞ」


「おう・・・・」


「行くぞ」というウィスの声に賛同し、通路を進もうとすると――――


「おっと、違う違う」


「へ?」


「そんなところ通ってたら日が暮れちまうよ、こっちだ付いてきな」


そう言うと、ウィスは壁に手を当てる。

すると、ウィスの手の当てた隣に扉が出現する。


「ほらよ、これで行ったほうが早いぜ」


「・・・・」


驚きで声も出ず、ポカーンと口を開けたままにしてしまう。

扉を開くとそこは人がちょうど一人入るぐらいの広さの空間があった。


「うーん・・・・まあこの大きさなら二人でもいけんだろ、ほら入れよ」


「入れって・・・・」


理由は分からないが、とりあえずウィスの言われるがままにその空間に入る。

ウィスも一緒に入り終わると扉がゆっくりと閉じ始める。


・・・・完璧に閉じたところで、どこからかガタンと音がし、体が引っ張られる感覚に襲われる。


――――この感覚・・・・エレベーター?


上や下ではなく、その空間が横に動いていることが分かる。

しばらくすると、その空間はゆっくりと動きを止める。

足元にいるウィスに目を向けると、ウィスが再び壁に手を当てている。


「・・・・ほらよ、付いたぜ」


そう言うと、目の前の扉が開く――――ここは・・・・


「改めて言うぜ、ようこそ――――オイラの楽園へ――――――」


「・・・・お邪魔しますって言ったらいいのかな?」

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