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囚人の一日 2

どれくらい時間が経っただろうか、ひたすらに仕分けをしていくと次から次へと新しい卵の入った箱が置かれていく。

そして感覚で7箱目ぐらいのころ、ノルマを終えたのか、それとも時間が来たのか、どこかへ行っていたエルフが帰って来ると、紐で縛られてまた移動することになる。

今度は知らない場所ではなく、一番最初にいた檻へと向かっているようだ。


・・・どうやら他のやつらも檻に戻されているようだな。


最初に見た時には誰もいなかった檻の中に、今度は男たちが入っている。よく見ればあそこで働いていた者もいる。


最初に見た時は皆働いていたから檻にいなかったってことか?


数えてみれば男たちの数は30人と少し、自分のように一人に3エルフが付くとしたら、少なくともエルフは90人いる計算となる。


檻の中にいる男は一人とは限らない、複数人いる檻もある・・・その男たちを1グループと考えて、1グループに3エルフ付くとすればもう少しエルフの数は少なくなるかもしれない・・・が、50エルフ近くはいると考えたほうがいいだろう。


そうこうしていると、自分の檻へと到着する。

どうやらこの檻は一人だけのようだ、広く使えるから幸福というべきか、それとも話す相手がいないから不幸だと言うべきか。

檻に入れられると、縄をほどかれる。


作業をするときや檻の中にいるときは縄をほどかれるのか・・・


縄をほどき終わると、エルフは檻の中から出ていく。


「~~~~~~」


エルフは何かをこちらに向けて言うとどこかへと行ってしまう。

去り際に言うということは「大人しくしていろ」ということか。尋問される前に騒いだしな、そりゃそうか。

自分の他に人がいるという事すら忘れそうになるほど、この空間は静かだった。

自分のいる檻のように、自分以外に人がいないならばまだしも、人がいる檻すらも静かだ。

・・・コミュニケーションを避けているのか、それとも話せない理由でもあるのか。


・・・どんな言語を使っているかが聞けないのはつらいが、まあ仕方ないか。


息を大きく吐きながら床に寝そべる。

そういえばトイレなどはどうするのだろうか、もしかしてこのまま垂れ流しか?それは嫌だなぁ・・・せっかくだ、隣のやつにでも話そう。

使っている言語が何かも分かるし、ちょうどいい。


「なぁ、ここって用を足すときはどうすればいいんだ?ここに垂れ流しか?」


起き上がり、隣に向かって話しかけるが反応がない・・・こちらから話しかけても無視か・・・


そう思っていると、後ろからガサガサと音がする・・・なんだろうか。

後ろを向くと、植物の枝のようなものが絡み合い始めている。なんだこれは?何が起こっている?

しばらくすると、その植物は動きを止める・・・そして、そこには便器が出来ていた。


な・・・!トイレが作られた・・・?!


植物で出来ているトイレをまじまじと見る・・・中世のような便器ではない、現代の・・・自分の世界の形の便器だ・・・ということはこれを作ったのは『異世界人』の可能性が高いな・・・いや、それよりもこの植物は「俺の声」に、「用を足す」という声に反応してこれを作ったんだよな、なら・・・


「この檻から出たい」


植物に向かって、はっきりとそういう・・・しかし、植物は反応を示さない。


頼みを全て聞くわけではなく、あくまでもエルフ側の立場ということか。しかし、どこまで通用するのか・・・試してみても良いな。


「本を読みたい」


・・・植物は反応を示さない。


「腹が減った」


植物は天井に枝を張り巡らすと、そこから木の実が作られる。


・・・娯楽はダメだが、人間の本能的な欲求には答えてくれるみたいだ。

じゃあ・・・


「彼女が欲しい」


人間の三大欲求の一つ・・・性欲。さあ、反応してくれるか・・・?


じっくりと植物を見て、反応を待つ・・・だが、植物は微動だにしない。


――――ダメか、まあそれで願いを聞かれてもどうしようもないがな。

植物にも限界があるということか、それとも必要最低限のものしか与えられないということか、よくは分からないが生きる分には困らなさそうだ。


「・・・少し寝たい」


そういうと、植物は葉で布団を作ってくれる。

寝床を作ってくれる当たり、意外と甘いみたいだ。


――――とりあえず、ここにいる限りは何もできないしな・・・寝て体力でも戻しておこう。


そう思い、葉で作られた布団に体を倒すと・・・ラブは眠りについた――――

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